ホンダは2002年12月に、アメリカにおいて同国の若者をターゲットとしたクロスオーバーSUV「エレメント」を発売しました。開発・生産はアメリカの拠点で行われ、同国の若者が憧れる「ライフガードステーション」をモチーフとした個性的な内外装デザインが採用されました。2003年から日本にも販売されたものの、アメリカ国内ほどのヒットには結び付かず、2005年まで約2年間という短かい期間で国内販売終了となりました。
センターピラーレスボディ+観音開きドアを採用
ボディはセンターピラーレス構造を採用しながら、独自の技術により高剛性と優れた衝突安全性が確保されていました。又、ボディ下部に樹脂製クラディング(無塗装)を採用した他、ドアは両側とも観音開き式を採用するなど、個性的なスタイリングと機能性を備えていました。又、テールゲートは上下に分割して開閉するクラムシェルタイプで、ロアゲートに腰掛ける事も可能でした。
ボディスペックは、全長4,300mm×全幅1,815mm×全高1,790mm、ホイールベース2,575mm、車両重量1,560kgでした。サスペンション形式はフロントにストラット式、リアにダブルウィッシュボーン式が採用されました。駆動方式はオンデマンド型フルタイム4WDとFFが設定され、エンジンは2.4L直4DOHC i-VTECのK24A型(最高出力160ps/最大トルク22.2kgm)のみの設定でした。
トランスミッションは、発売当初は5速MTと4速トルコン式ATが用意されました。インテリアは、腕時計をイメージしたコーンシェイプ独立3眼式メーターや大型エアアウトレット採用による個性的なインパネが備わる他、低床フラット設計のフロアや多彩なシートアレンジ、ロングサーフボードが積載可能な荷室スペースなどを特徴としました。
ホンダ エレメントのCM
Honda Collection Hall 収蔵車両走行ビデオ HONDA ELEMENT(2003年)
日本には4WD+4AT車のみ導入
日本には2003年4月に、4WD+4ATモデルが導入されました。グレード名無しのモノグレードで、ボディカラーは全5色が用意されました。そして2005年6月にマイナーチェンジが実施され、サイドシルガーニッシュの形状変更やエキゾーストパイプフィニッシャーの追加、運転席シートベルト締め忘れ警報ブザー&警告灯の装備などが行われました。
そして2005年7月に日本での販売は終了となったものの、アメリカでの生産・販売は継続され、翌2006年に樹脂部分に塗装を施した新グレード「EX-P」が追加されました。更に2007年には、内外装の変更やエンジンのパワーアップ(最高出力166psに)、ATの5速化が行われると同時に、専用の内外装やローダウンサスペンションを備える新グレード「SC」が追加されました。
次いで2009年にエクステリアデザインが変更された後、2011年に生産終了となりました。
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