トヨタのアッパーミドルセダン「ヴェロッサ」は、ビスタ店で販売されていた「クレスタ」の後継モデルとして、2001年7月に発売されました。「エモーショナルセダン」をキャッチコピーに、コンサバティブだったクレスタから一転し個性的な内外装デザインを採用した他、シャシー性能やボディ剛性、エンジン性能の高さによるファン・トゥ・ドライブを追求したモデルでした。
欧州車テイストのスタイリング
スタイリングは、ボディ側面の個性的なキャラクターライン、独特な意匠のフロントグリルとそれに続くボンネットフードのキャラクターライン、切れ長のヘッドランプなどが採用され、全体的に欧州車テイスト溢れるものでした。ボディサイズは全長4,705mm×全幅1,760mm×全高1,450mmで、クレスタから全長が縮小された一方、全高は若干高くなりました。
ホイールベースは50mm長い2,780mmで、車両重量は若干重い1,380~1,530kgでした。サスペンション形式はクレスタ同様の4輪ダブルウィシュボーン式で、駆動方式も同様にFRとフルタイム4WDが設定されました。エンジンは2L直6の1G-FE型、2.5L直6直噴の1JZ-FSE型、2.5L直6ターボの1JZ-GTE型の3種類で、4WDは1G-FE型エンジン搭載車のみに用意されました。
スペックは、1G-FE型が最高出力160ps/最大トルク20.4kgm、1JZ-FSE型が最高出力200ps/最大トルク25.5kgm、1JZ-GTE型が最高出力280ps/最大トルク38.5kgmでした。トランスミッションは、1G-FE型に4速トルコン式ATが、1JZ-FSE型に5速トルコン式ATが、そして1JZ-GTE型には5速MT若しくは4速トルコン式ATが組み合わせられました。
トヨタ ヴェロッサのCM
新車情報2001 トヨタ ヴェロッサ
インテリアも個性的
インテリアは、曲線基調のインパネやセンタークラスター、金属調リング採用のエアコン吹き出し口が特徴でした。発売当初のグレード体系は、2Lの「20」「20Four」「20Four Gパッケージ」、2.5L直噴の「25」「V25」、2.5Lターボの「VR25」の全6グレードでした。装備面では、SRSデュアルエアバッグシステムやEBD付きABS、ブレーキアシストなどが全車に標準装備されました。
又、「20Four Gパッケージ」には15インチアルミホイールやCDオーディオが、「V25」「VR25」には17インチアルミホイールやパワーシートが装備されました。そして2002年4月に、「20」及び「20Four」に限定車「Lエディション」「セレチオーネV」「セレチオーネVナビパッケージ」が追加されました。そして2003年1月に一部改良を実施し、ボディカラーの見直しが行われました。
同時に、「20」をベースにリアスタビライザーや17インチアルミホイール、マルチアジャスタブルパワーシートを備える「20Vパッケージ」がカタログモデルとして追加されました。又、限定車として「20」「20Four」「25」に「エクシード」及び「エクシードナビパッケージ」が追加されました。そして翌2004年4月にビスタ店がネッツ店に併合された事に伴い、1代限りで生産終了となりました。