日産のコンパクトカー「パオ」は、「Be-1」に続くパイクカーシリーズ第2弾として1987年の東京モーターショーに出展され、1989年1月に商用車型パイクカー「エスカルゴ」と同時に発売されました。テーマは「都会の中にもリゾート気分を感じさせるアドベンチャー感覚あふれるクルマ」で、レトロ調の内外装デザインやキャンバストップ仕様の設定が特徴でした。
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往年の大衆車のようなエクステリア
Be-1同様ベースモデルは初代「マーチ」(K10型)で、ボディタイプも同様に3ドアハッチバックでした。スタイリングは丸みを帯びたボディラインや丸型2灯式ヘッドランプ採用のフロントマスクなど、Be-1譲りのファニーな雰囲気が受け継がれた他、ボディ側面の3本のプレスラインやパイプ状の前後バンパーなど、独自のデザインが備わっていました。
更に、「フォルクスワーゲン・タイプⅠ(トーションバーモデル)」のような平面タイプのフロントウィンドウ、初期の「オースチン/モーリス・ミニ」を彷彿とさせるアウターヒンジ式ドア、開閉式の三角窓、フリップアウト式のリアクォーターウィンドウ、上下開き式のテールゲートなど、随所に1950~1960年代の大衆車のようなディテールが取り入れられていました。
日産パオのCM
その一方で、ボディ素材に様々な新素材を採用し軽量高剛性化が図られるなど、先進的な側面も併せ持っていました。ボディサイズは全長3,740mm×全幅1,570mm×全高1,475~1,480mmで、K10型マーチやBe-1と比較するとハイトの高いディメンションが特徴でした。ホイールベースは前記モデルと共通の2,300mmで、車両重量はBe-1よりも若干重い720~760kgでした。
サスペンション形式は、マーチと同様のフロント:ストラット式/リア:4リンク・コイル式が踏襲されました。エンジンはマーチ標準車やBe-1と同じ1L直4SOHC NA電子制御キャブレター仕様のMA10S型(最高出力52ps/6,000rpm・最大トルク7.6kgm/3,600rpm)が採用され、トランスミッションも同様に5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。
インテリアもレトロ調で統一
インテリアは、ボディ同色の平板なインパネと大型の丸型スピードメーター、白い2本スポークステアリングホイールなど、エクステリア同様レトロな雰囲気で統一されていました。装備は必要最小限に留められ、エアコンやカーステレオはオプションでした。グレード体系はモノグレードで、メタルトップ仕様とキャンバストップ仕様が設定されました。後者は全高が5mm高くなる他、車両重量が10kg重くなりました。
販売方法は、1万台限定販売だったBe-1とは異なり、台数制限を設けず3ヶ月の予約期間内に受注した台数を全て生産・納車する方式が取られました。結果として、総生産台数はBe-1の5倍以上の51,657台に及びました。
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