日産のコンパクトカー「Be-1」は、1985年の東京モーターショーで初公開され、1987年1月に発売されました。初代「マーチ」(K10型)のプラットフォームや基本メカニズムを流用し、レトロ調のボディを架装したモデルで、国産パイクカーの先駆け的存在となりました。限定販売であった事と人気が沸騰した事が相まって、完売後の一時期中古車市場でプレミアム価格で取引される現象が起きました。
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ボディに新素材を採用
ボディタイプは3ドアハッチバックで、スタイリングはベースモデルのK10型マーチが直線基調のシャープなイメイージであったのに対し、曲線的なボディラインや丸型2灯式ヘッドランプを採用したグリルレスのフロントマスクにより、レトロかつマイルドな雰囲気を醸すものとなりました。又、ボディの一部に世界初のフレックスパネルやABS樹脂が採用された事も特徴でした。
ボディバリエーションは、まず先行してメタルトップ仕様が発売され、追って同年3月に電動キャンバストップ仕様が追加されました。ボディサイズは全長3,635mm×全幅1,580mm×全高1,395mm(メタルトップ仕様)/1,420mm(キャンバストップ仕様)で、K10型マーチよりも全長が100mm短く全幅は20mm広く、全高は同一(メタルトップ仕様の場合)のディメンションでした。
ホイールベースは同一の2,300mmで、車両重量はマーチの中級グレードとほぼ同等の670~700kgでした。サスペンション形式は、マーチと同様のフロント:ストラット式/リア:4リンク・コイル式を踏襲し、駆動方式も同様にFFが採用されました。エンジンは、マーチの標準的グレードに搭載される1L直4SOHC NA電子制御キャブレター仕様のMA10S型(最高出力52ps/6,000rpm・最大トルク7.6kgm/3,600rpm)が搭載されました。
インテリアも個性派
トランスミッションは、5速MTと3速トルコン式ATが設定されました。又、インテリアはエクステリア同様オリジナルのデザインが採用され、ステアリングポスト上部に大径の丸型スピードメーターが、その左下方に小径の丸型タコメーターが備わる独特なレイアウトが特徴でした。その他、4個所設けられたエアコン吹き出し口や3本スポーク式ステアリングホイールのセンターパッドも、丸型に統一されていました。
販売は受注形式により行われ、生産台数は1万台限定でした。人気が殺到した為、発売開始から僅か2ヵ月でオーダーが予定台数に達しました。生産はほぼハンドメイドで行わた為、ラストモデルが工場からラインアウトしたのは翌1988年5月の事でした。Be-1の価値は単なる稀少性に留まらず、デザインに対する評価も高く、1987年の通産省選定グッドデザイン賞に輝きました。
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