日産のスポーツカー「フェアレディZ」は、1983年9月に5年ぶり2度目となるフルモデルチェンジを実施し、3代目となりました。前回のフルモデルチェンジが初代からのキープコンセプトであったのに対し、3代目はエクステリアが大きくイメージを変えると共にパワートレインも刷新されるなど、大幅なリフレッシュが図られました。
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内外装共にイメージを一新
スタリングは、初代以来のロングノーズ・ショートデッキのプロポーションを踏襲しつつも、空力特性を追求したフォルムを取り入れ、独特のパラレルライジング式リトラクタブルヘッドランプを採用するなど、イメージを一新しました。それに伴い、Cd値は先代の0.39から0.31に向上しました。
2シーター仕様と4シーター仕様の「2by2」が設定され、それぞれ異なるボディが与えられる点は先代から踏襲されました。ボディサイズは、2シーターが全長4,330mm×全幅1,690mm~1,725mm×全高1,290mm、2by2が全長4,535mm×全幅1,690mm~1,725mm×全高1,310mmで、全幅を除きほぼ先代と同サイズを維持しました。
フェアレディZ Z31(前期)のCM
ホイールベースは先代から変更はなく、2シーターが2,320mm、2by2が2,520mmでした。車両重量は先代よりもやや増加し、1,160kg~1,365kgとなりました。サスペンションは先代同様の前:マクファーソンストラット式/後:セミトレーリングアーム式が踏襲され、ブレーキも先代同様の4輪ディスク式が採用されました。
インテリア面では、インパネがエクステリア同様の直線的でシャープなイメージのデザインに変更されました。又、初代や先代同様コンソールボックス上部に設けられた丸型メーターは、数こそ3連式から2連式に変更されたものの、うち一個は上下に2種類のメーターを内蔵していました。
パワートレインを一新し、全車ターボ化
エンジンは、先代の直6 SOHCのL型に替え、新世代のV6 SOHCターボのVG型が搭載されました。2LのVG20ET型を搭載する「200ZX」と3LのVG30ET型を搭載する「300ZX」が設定され、スペックは前者が最高出力170ps/6,000rpm、最大トルク22kgm/4,000rpm、後者が最高出力230ps/5,200rpm、最大トルク34kgm/3,600rpmで、共に先代から大幅なパワーアップを果たしました。
トランスミッションは先代同様の5速MTと、OD付の4速に変更されたトルコン式ATが設定された他、300ZXのMTは大トルクに対応する為ボルグ・ワーナー製が採用されました。駆動方式は、FRが踏襲されました。翌1984年2月に、モデルチェンジと共に一旦姿を消したTバールーフ仕様車が追加設定されました。
フェアレディZ Z31(後期)のCM
次いで1985年10月にマイナーチェンジを実施し、一旦途絶えた直6エンジン搭載モデル「200ZR-1」が追加されました。採用されたのはDOHC4バルブ・セラミックターボのメカニズムを持つ2LのRB20DET型で、最高出力180ps/6,400rpm、最大トルク23kgm/3,600rpmというVG20ET型を凌駕するスペックを持つものでした。
ビッグマイナーチェンジを実施
次いで1986年10月にビッグマイナーチェンジを実施し、よりダイナミックなスタイリングに変身すると共に、2L車のエンジンがRB20DET型に一本化された他、新たに3L V6 NAのVG30ET型エンジン(最高出力190ps/6,000rpm、最大トルク25kgm/4,400rpm)+ゲトラグ製5速MTを搭載する「300ZR」が追加されました。
3代目フェアレディZは、先代からパフォーマンスが大幅に向上し、欧州のハイパフォーマンスカーに引けを取らない高性能スポーツカーに生まれ変わりました。
先代モデル:2代目フェアレディZ
後継モデル:4代目フェアレディZ
歴代フェアレディZ