初代モデルが1992年にデビューしたアウディAGの高性能4ドアセダン「S4」および5ドアステーションワゴン「S4アバント」は、1997年に全面改良を受けた2代目モデルが登場しました。初代が4代目「100」をベースとしていたのに対し、1994年に発売された初代「A4」をベースに開発され、初代からは基本設計やパワートレインが一新されました。
先代よりもコンパクトに
スタイリングは、ハイパフォーマンスモデルでありながら基本的にA4と共通のエレガントな雰囲気にまとめられていました。エアロダイナミクス特性もA4譲りで、Cd値はS4で0.31、S4アバントでも0.32を実現していました。ボディサイズは全長4,483mm(S4)/4,488mm(S4アバント)×全幅1,733mm×全高1,396mmで、初代からは一回り以上コンパクトになっていました。
また、ホイールベースも80mmほど短い2,607mmとなりました。サスペンション形式は、フロントは先代のマクファーソンストラット式から4リンク式に、リアはトレーリングアーム式からダブルウィッシュボーン式に変更されました。また、A4に対してはスプリング/ショックアブソーバーの強化が図られていました。駆動方式は先代同様、アウディ得意のフルタイム4WDシステム「クワトロ」が踏襲されました。
2.7L V6ツインターボエンジンを搭載
エンジンは、先代の2.2L直5DOHCターボおよび4.2L V8DOHC NAに代わり、2.7L V6DOHCツインターボが搭載されました。スペックは最高出力265ps/5,800rpm・最大トルク40.8kgm/1,850-3,600rpmで、従来の4.2L V8に迫るアウトプットとなっていました。組み合わせられるトランスミッションは、6速MTのみの設定でした。
パフォーマンスは、最高速度はS4/S4アバントともに250km/hで、0-100km/h加速タイムはS4が5.6s、S4アバントが5.7sとなっていました。ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式で、ホイール&タイヤは前後ともに7.5J×17インチホイールと225/45R17タイヤの組み合わせが採用されました。
安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやEBD付ABS、プリテンショナー付シートベルトなどが標準装備されました。また、快適・豪華装備面ではフルオートエアコンやレザーシート&運転席パワーシート、レザーステアリングホイールなどが採用されました。そして2001年にベースモデルのA4にフルモデルチェンジが施され、翌2002年にはS4/S4アバントもフルモデルチェンジを受け通算3代目モデルに移行しました。
日本市場においては、1999年6月にまずS4が上陸を果たし、追って10月にS4アバントの導入が開始されました。いずれもモノグレード設定となるほか、左ハンドル仕様のみが用意されました。