初代モデルが1998年にデビューし、斬新なスタイリングが話題を呼んだアウディのスポーツカー「TT」は、2014年のフルモデルチェンジにより3代目となりました。欧州ではまずクーペが3月に、次いで9月にロードスターが発表され、日本では2015年8月にクーペ/ロードスターが同時発売されました。先代から基本コンセプトを踏襲しつつ、走行性能が一段と向上しています。
プラットフォームを刷新しボディを軽量化
プラットフォームは新世代の「MQB」に刷新され、同時にボディシェルがオールアルミ製となり軽量化が図られました。スタイリングは、ワイド化されたシングルフレームグリルや新デザインのLEDヘッドランプなどにより新鮮味を演出する一方、初代モデル以来のアイデンティティーである張り出したホイールアーチなどにより、一目でTTと分かるデザインが備わります。
更にクーペは、これも初代・先代モデル同様に弧を描くようなルーフラインを踏襲、乗車定員も従来通り2+2となっています。一方ロードスターも、電動ソフトトップを備える2シーター仕様となる点は従来同様となっています。ボディサイズは全長4,180mm×全幅1,830mm×全高1,380mm(クーペ)/1,360mm(ロードスター)で、先代より全長と全幅が僅かに縮小され、全高は若干高くなっています。
ホイールベースは40mm延長され2,505mとなり、前後のオーバーハングが短縮されています。車両重量は1,320~1,470kgで、同一グレード同士の比較で先代から最大60kg軽量化されています。駆動方式はフルタイム4WD「クワトロシステム」の他、クーペにはFFも設定されます。エンジンは、欧州仕様にはディーゼルターボも用意されるものの、日本仕様はガソリンターボのみとなります。
エンジンはパワー・燃費共に向上
チューニングの異なる2種類の2L直4ユニットが設定され、クーペのFFグレード「TT 2.0TFSI」とクーペ/ロードスターの4WD標準グレード「TT 2.0TFSIクワトロ」には最高出力230ps/最大トルク37.7kgm仕様が、クーペの4WDハイパフォーマンスグレード「TTS 2.0TFSIクワトロ」には最高出力286ps/最大トルク38.8kgm仕様が搭載されます。
先代に搭載された同一ユニットに対し、アウトプットが前者で19ps/2kgm、後者で14ps/3.1kgm向上した他、燃費が約10~30%改善されました。トランスミッションは、全車DCTの6速Sトロニックとなります。インテリアは先代から一新され、12.3インチの液晶画面に速度やエンジン回転数、ナビ画面などの情報を表示する「アウディ・バーチャルコクピット」が採用されました。
装備面では、全車に走行モード切替システム「アウディ・ドライブセレクト」が備わる他、クーペには可変式磁性体ダンパーの「アウディ・マグネティックライド」が標準装備されます。