ゼネラルモーターズ(GM)は2002年、通算2代目となるプレミアムSUV「エスカレード」を発売しました。1999年から2000年にかけて販売された初代エスカレードが、急ごしらえであったことが災いし商業的に失敗に終わった経験から、メカニズム面や装備面で大幅な見直しが図られました。その甲斐あって商業的に成功を収め、プレミアムSUVの代名詞的な存在となりました。
専用エンジンを搭載
ベースとなったのは「シボレー・タホ」および「GMC・ユーコン」で、ボディタイプは5ドア標準ボディのほか、5ドアロングボディの「ESV」と4ドアピックアップトラックの「EXT」の全3種類がラインナップされました。ボディシェルは基本的にシボレー・タホ/GMC・ユーコンと共通であったものの、フロントまわりにキャデラック独自の意匠を採用、プレミアムモデルとしての差別化が図られました。
ボディ・ディメンションは全長5,052~5,624mm×全幅2,004~2,019mm×全高1,905~1,943mm、ホイールベース2,946~3,302mmという堂々たる体躯を誇りました。駆動方式はFRとフルタイム4WDが設定され、エンジンは専用に設計された5.3L V8OHV(最高出力285ps)と6L V8OHV(最高出力345ps)が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、4速トルコン式ATでした。
サスペンション形式は、フロントがダブルウィッシュボーン/トーションバー式、リアが5リンク・リジッド/コイル式で、ブレーキは前後ともにベンチレーテッド・ディスク式が採用されました。安全装備面では、SRSデュアル&サイドエアバッグシステムやABS、トラクションコントロール、スタビリトラックシステム(横滑り防止装置)などが装備されました。
充実した装備
室内は、EXTを除き3列シート7人乗り仕様が標準で(※オプションで8人乗り仕様も用意)、快適・豪華装備面ではレザー・インテリアや運転席パワーシート、クルーズコントロール、CDチェンジャー付きオーディオシステムなどが標準で備わりました。その後2003年と2004年に一部改良を実施、仕様向上が図られました。
2004年の一部改良の際には、5.3Lエンジンの最高出力が295psに向上したほか、ESVに専用の内外装や大径アルミホイール、ムーンルーフ(サンルーフ)、全席シート・ヒーター&クーラー、保温&保冷カップホルダーなどが備わる「プラチナム・エディション」が設定されました。そして2006年にフルモデルチェンジが実施され、3代目モデルに移行しました。
日本市場においては、2004年1月に5ドア標準ボディ・フルタイム4WD仕様(左ハンドルのみ)の導入が開始されました。
後継モデル:3代目エスカレード