ゼネラルモーターズ(GM)は2007年、キャデラック・ブランドより販売されるミディアム・セダン「CTS」に5年ぶり初のフルモデルチェンジを実施し、2代目モデルに移行させました。従来からのFR車に加えフルタイム4WD車が設定されたほか、追って5ドアステーションワゴンの「CTSスポーツワゴン」や2ドアクーペの「CTSクーペ」がラインナップに加えられました。
改良型のプラットフォームを採用
プラットフォームは、先代の改良型となる「GMシグマプラットフォームⅡ」が採用されました。当初のボディタイプは4ドアセダンのみの設定で、スタイリングは先代のイメージを受け継ぎながらも、フロントまわりなどに最新の意匠が採用されました。ボディサイズは全長4,867mm×全幅1,841mm×全高1,473mmで、先代から若干拡大されました。
一方、ホイールベースは2,880mmのまま変更はありませんでした。エンジンは当初、先代から2.8L V6DOHC NA(最高出力213ps/最大トルク26.8kgm)と3.6L V6DOHC NA(最高出力262ps/最大トルク34.9kgm)の2種類がキャリオーバーされました。組み合わせれれるトランスミッションは、6速MTまたは6速トルコン式ATでした。
サスペンション形式は、フロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式が踏襲されたほか、上級グレードには自動車高調整システムが採用されました。安全装備面では、SRS6エアバッグシステムやブレーキアシスト付ABS、トラクションコントロール、横滑り防止装置「スタビリトラック」などが標準装備されました。
高性能版のCTS-Vを追加
その後2008年に、6.2L V8OHVスーパーチャージド・エンジン(最高出力564ps/最大トルク76.2kgm)を搭載するハイパフォーマンス版「CTS-V」が追加されました。次いで翌2009年には、CTSスポーツワゴンが追加されました。エンジン・ラインナップは、新開発の3L V6DOHC直噴NA(最高出力274ps/最大トルク30.8kgm)と、セダンと共通の3.6L V6の2種類が用意されました。
さらに2010年、CTSクーペがラインナップに加わりました。ラインナップは、3.6L V6エンジン搭載のベースグレードと6.2L V8エンジン搭載のCTS-Vが設定されました。また、この年セダンにも3L V6エンジン搭載車が設定されるとともに、スポーツワゴンもCTS-Vが選べるようになりました。次いで2012年に初のマイナーチェンジが実施されました。
フロントグリルの意匠が変更されると同時に3.6L V6エンジンがリニューアルされ、アウトプットが最高出力322ps/最大トルク38kgmまで向上しました。そして2013年にフルモデルチェンジが実施され、現行型となりました。日本市場においては、2008年1月に2.8L/3.6L車の導入が開始されました。先代と異なり、右ハンドル仕様の設定はなくなりました。
その後、2009年1月にCTS-Vが、翌2010年1月に3L V6エンジン搭載車が、翌2月に3L/3.6Lエンジン搭載のCTSスポーツワゴンが、さらに2011年1月にCTSクーペ/CTS-Vクーペが追加されました。