ゼネラルモーターズ(GM)は2013年、キャデラック・ブランドより販売されるミディアム・セダン「CTS」に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、現行型となる3代目モデルに移行させました。先代から大幅な軽量・高剛性化が図られると同時に、FRベースのモデルとして理想とされる50:50の前後重量配分を実現したことが特徴でした。
LEDランプを採用
プラットフォームは、新世代の「GMアルファプラットフォーム」が採用されました。ボディタイプは5ドアステーションワゴンと2ドアクーペが廃止され、4ドアセダンに一本化されました。エクステリア・デザインは、「アート&サイエンス」のテーマに基づいた彫刻的なボディラインを踏襲しながらも、切れ長のヘッドランプやLEDランプの採用などによりイメージが刷新されました。
ボディサイズは全長4,966mm×全幅1,834mm×全高1,454mmで、先代から全長が約100mm拡大されました。また、ホイールベースも30mmほど延長され2,911mmとなりました。サスペンション形式は、フロントはダブルウィッシュボーン式からマクファーソンストラット式に変更され、リアはマルチリンク式が踏襲されました。
ターボエンジンを設定
また、上級グレードには従来同様に電子制御可変ダンパーの「マグネティック・ライド・コントロール」が装備されました。駆動方式は先代同様FRとフルタイム4WDが設定され、エンジンは当初、2L直4DOHCターボ(最高出力276ps/最大トルク40.8kgm)、3.6L V6DOHC NA(最高出力325ps/最大トルク38kgm)、同ツインターボ(最高出力426ps/最大トルク59.5kgm)の3種類が用意されました。
トランスミッションはMTが廃止され、トルコン式ATのみの設定となりました。ギア数は2Lターボが6速、3.6L NAが6速(オプションで8速の選択が可)、同ターボが8速でした。その後2014年に、6.2L V8OHVスーパーチャージド・エンジン(最高出力649ps/最大トルク87.2kgm)+8速ATを搭載し、最高速度322km/h・0-60mph加速3.7sの性能を誇るハイパフォーマンス版「CTS-V」が追加されました。
日本にはまず2Lターボ車が上陸
次いで2016年、3.6L NAエンジンのスペックが最高出力340ps/最大トルク39.4kgmに向上するとともに、トランスミッションが全車8速ATに統一されました。日本市場には、2014年4月に2Lターボエンジン搭載FR仕様の「ラグジュアリー」および「エレガンス」の導入が開始されました。いずれも左ハンドル仕様のみの設定でした。
その後、2015年1月にフルタイム4WD仕様の「プレミアム」が追加され、追って2016年1月にCTS-V(スペック-A/スペック-B)が追加されるとともに、CTSはATを8速に変更したプレミアムのみに整理されました。