ゼネラルモーターズ(GM)は2003年、キャデラック・ブランドより2ドア・2シーター仕様の高級カブリオレ「XLR」を発売しました。同ブランドの2シーター・オープンモデルとしては1993年に生産終了となった「アランテ」以来10年ぶりのリリースで、専用プラットフォームや最新の電子デバイスが採用されました。また、追って高性能版の「XLR-V」がラインナップに加わりました。
シャープなスタイリング
新開発のプラットフォーム「パフォーマンスカー・アーキテクチャー」に架装されるボディは、電動バリアブル・ハードトップが備わるクーペ・カブリオレで、スタイリングは「アート&サイエンス」をテーマとしたシャープかつ彫刻的なフォルムを特徴としていました。ボディサイズは全長4,514mm×全幅1,836mm×全高1,280mmで、かつてのアランテに近いディメンションとなっていました。
一方、ホイールベースはそれよりも150mm以上長い2,685mmに設定されました。駆動方式はFFであったアランテと異なりFRが採用され、パワートレインは4.6L V8DOHC32バルブNAの「ノーススター」(最高出力324ps/最大トルク42.8kgm)と5速トルコン式ATの組み合わせが搭載されました。
サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン/横置きリーフ式で、電子制御可変ダンピングシステムの「マグネティック・ライド・コントロール」が装備されていました。ブレーキは4輪ベンチレーテッド・ディスク式で、ホイール&タイヤは前後とも8J×18インチホイールとミシュランZP P235/50R18タイヤの組み合わせが装着されました。
豪華な装備
また、安全装備としてSRS運転席エアバッグシステムやABS、トラクションコントロールに加え、ミリ波レーダーによる「アダプティブ・クルーズ・コントロール」や障害物検知システムが装備されました。一方室内装備面では、ヘッドアップディスプレイや7インチカラータッチスクリーン、DVDエンターテインメントシステム、ボーズ9スピーカー・カーオーディオシステムなどが標準装備されました。
その後2005年に、4.5L V8DOHCスーパーチャージド・エンジン(最高出力446ps/最大トルク58.7kgm)+6速トルコン式ATを搭載するXLR-Vが追加されました。次いで2009年モデルでフェイスリフトが実施され、フロントおよびリアまわりの意匠が変更されるとともに、インテリアにも小変更が施されました。そして2009年春に同社が経営破綻したことにともない、ラインナップ整理の対象となり生産は打ち切られました。
日本市場においては2003年10月に正規輸入が開始され、2007年11月にXLR-Vが追加されました。