ゼネラルモーターズ(GM)は2002年、キャデラック・ブランドより新型ミディアム・セダン「CTS」を発売しました。同ブランドとしては最小のモデルで、2001年に生産終了となった「カテラ」の後継車種として位置付けられました。カテラがオペル車のバッジ・エンジニアリングであったのに対し、CTSではGMオリジナルの設計が採用されました。
新プラットフォームを採用
プラットフォームは、新設計の「GMシグマプラットフォーム」が採用されました。初代のボディタイプは4ドアセダンのみの設定で、スタイリングは「アート&サイエンス」をテーマにエッジの効いたシャープな造形が取り入れられました。ボディ・ディメンションは全長4,829mm×全幅1,793mm×全高1,440mm、ホイールベース2,880mmでした。
駆動方式はコンベンショナルなFRで、エンジンは当初3.2L V6DOHC(最高出力223ps/最大トルク30.2kgm)が搭載されました。組み合わせられるトランスミッションは、5速MTまたは5速トルコン式ATでした。サスペンション形式はフロントがダブルウィッシュボーン式、リアがマルチリンク式で、ブレーキは前後ともベンチテーテッド・ディスク式が装備されました。
ハイパフォーマンス版を追加
安全装備面では、SRS6エアバッグシステムやABS、トラクションコントロール、横滑り防止装置「スタビリトラック」などが標準装備されました。その後2003年に、5.7L V8OHVエンジン(最高出力406ps/最大トルク53.9kgm)+6速MTを搭載し、大径4輪ベンチレーテッド・ディスク・ブレーキが装備されるハイパフォーマンス版「CTS-V」が追加されました。
次いで2004年には、2.6L V6DOHC(最高出力181ps/最大トルク23.7kgm)、2.8L V6DOHC(最高出力213ps/最大トルク27kgm)、3.6L V6DOHC(最高出力259ps/最大トルク34.9kgm)の3種類のエンジンがラインナップに加わった一方、3.2L V6は廃止されました。続いて2005年、MTが全車6速に変更されました。そして2007年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。
日本には2.6/3.2/3.6L車を導入
日本市場においては、2003年3月に導入が開始されました。エンジンは2.6Lと3.2Lが用意され、トランスミッションはいずれも5速ATが組み合わせられました。グレードはモノグレード設定で、右ハンドル仕様と左ハンドル仕様の選択が可能でした。装備面では、ボーズ製スピーカー採用のインダッシュCD6連奏チェンジャー付きオーディオシステムが標準装備されました。
その後、2004年11月導入の2005年モデルで内装が一部変更されるとともに、3.2L車に代わり3.6L車が設定されました。次いで2005年12月導入の2006年モデルでは、左ハンドル仕様車のATにマニュアル感覚のシフトが可能な「DSC」が装備されるとともに、2.8/3.6L両モデルに特別仕様車「Vパッケージ」が設定されました。