トヨタ自動車は2005年、北米市場などでレクサス・ブランドで販売するアッパーミディアムセダン「GS」に7年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目モデルに移行させました。一方日本国内においては、2代目まで「トヨタ・アリスト」として販売を行っていたものの、同年8月の国内におけるレクサス・ブランド開業に伴い海外同様レクサス・GSとしてリリースされました。
フルタイム4WD車を新設定
セミファストバックの流麗なフォルムを持つ4ドアボディのサイズは、全長4,830mm×全幅1,820mm×全高1,425mmで、先代(及び2代目アリスト)から全長が25mm、全幅が20mm拡大された一方、全高は10mm低められました。サスペンション形式は従来の4輪ダブルウィッシュボーン式から、リアがマルチリンク式に変更されました。
駆動方式はFRの他、新たにフルタイム4WDが設定されました。搭載エンジン及びグレードは、当初北米及び日本向けには3.5L V6の2GR-FSE型(最高出力315ps/最大トルク38.4kgm)搭載の「GS350」と、4.3L V8の3UZ-FE型(最高出力280ps/最大トルク43.8kgm)搭載の「GS430」が用意されました。又、他の地域向けに3L V6の3GR-FSE型(最高出力245ps/最大トルク31.6kgm)搭載の「GS300」も用意されました。
ハイブリッド車を追加
トランスミッションは当初、全車シーケンシャルモード「ナビAIシフト」付きの6速トルコン式ATとの組み合わせでした。その後の日本仕様車の展開は、まず2006年3月にレクサス・ブランド初のハイブリッド車として、3.5L V6ガソリンエンジン+モーター+電気式無段変速機から構成されるスプリット式システムを搭載する「GS450h」及び「GS450hバージョンL」が追加されました。
装備面では、バージョンLには衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」やレーンキーピングアシスト、レーダークルーズコントロール、後席サイドエアバッグシステムなどの安全装備が採用されました。次いで2007年10月にマイナーチェンジが実施され、内外装の変更や走行性能に係る装備の充実化が図られました。
同時に、GS430に代わり4.6L V8の1UR-FSE型エンジン(最高出力347ps/最大トルク46.9kgm)+8速トルコン式を搭載する「GS460」が設定された他、各グレードにバージョンI/バージョンLが設定されました。続いて2008年10月の一部改良でリアドア&リア・ウィンドウにプライバシーガラスが採用された他、カードキーが標準装備されました。
次いで翌2009年9月に実施された一部改良では、前席アクティブヘッドレストの採用やHDDナビゲーションシステムの機能強化、及びGS450hのエクステリア変更が図られました。そして2012年1月にフルモデルチェンジが実施され、現行型に移行しました。