レクサスブランドとして「LS」に次ぐクラスに位置するアッパーミドルセダン「GS」は、2012年1月にフルモデルチェンジを実施し、国内向けとしては2代目(北米向けは4代目)となる現行型になりました。コンサバティブな雰囲気だった先代から一転し、以降レクサスブランドのアイデンティティとなる「スピンドルグリル」を初めて採用しアグレッシブにイメージチェンジしました。
スタイリングは、基本的なプロポーションは先代同様のオーソドックスな4ドアセダン型ながら、前述にようにスピンドルグリルを採用した事により一目でレクサス車と分かるアイコン性が備わりました。ボディサイズは全長4,850mm×全幅1,840mm×全高1,455mmで先代から若干拡大され、ホイールベースは同一の2,850mm、車両重量は1,640kg~1,760kgとなっています。
パワートレインをダウンサイジング
サスペンション形式は、先代同様の前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式を踏襲し、一部グレードにダンパーの減衰力を自動調整するAVSが設定されました。パワートレインは4.6 V8が廃止され、代わりに2.5L V6が加わり先代から踏襲する3.5L V6との2本立てでスタートしました。駆動方式はFRがベースで、3.5L車にフルタイム4WDが設定される点は先代同様となっています。
グレードは2.5Lエンジン搭載の「GS250」と3.5Lエンジン搭載の「GS350」の2種類が基本で、前者はD-4(直噴)を採用した4GR-FSE型(最高出力215ps/6,400rpm・最大トルク26.5kgm/3,800rpm)、後者はD4S(直噴+ポート噴射)採用の2GR-FSE型(最高出力318ps/6,400rpm・最大トルク38.7kgm/4,800rpm)となります。トランスミッションは、共に6速トルコン式ATが組み合わせられます。
インテリアはインパネのデザインが一新された他、世界最大クラスの12.3インチ液晶ディスプレイや、カーナビやオーディオを遠隔操作出来るリモートタッチの採用が特徴となります。又、パッケージングが改善され、後席スペースやラゲッジスペースの拡大が図られた事も美点となっています。装備面では、4つの走行モードを選択出来る「ドライブモードセレクト」が全車に標準装備されます。
又、「GS250」「GS350」共に走行性能を追求したグレード「Fスポーツ」が新たに設定されました。専用デザインの内外装や専用サスペンション、大径フロントディスクブレーキが備わる他、可変ギアレシオステアリングと後輪操舵システムを組み合わせた「LDH」(レクサス・ダイナミック・ハンドリング・システム)の採用により、優れた操縦安定性を実現したモデルとなっています。
2種類のハイブリッドを追加
そして同年3月、3.5L V6アトキンソンサイクルエンジン(最高出力295ps)とモーター(最高出力200ps)を組み合わせたハイブリッドシステムを搭載する「LS450h」が追加されました。車両重量は1,820kg~1,860kgで先代の同グレードから軽量化された他、パワートレインの高効率化が図られた事により、JC08モード燃費は12.8km/Lから18.2km/Lへと大幅な向上を果たしました。駆動方式は先代同様FRのみとなります。
次いで2013年10月に一部改良を実施し、内外装や装備の一部変更が行われた他、「GS350」FR車のトランスミッションが8速化された「8-Speed SPDS」に変更されました。同時に、最高出力178psの2.5L直4アトキンソンサイクルエンジンと最高出力143psのモーターを搭載し、JC08モード燃費23.2km/Lを実現したハイブリッドモデル「GS300h」が追加されました。
そして2014年9月、一部改良によりシャークフィンアンテナや新SDナビゲーションシステムを採用するなどの仕様変更が行われました。