初代モデルが1954年に登場したアルファロメオの小型車「ジュリエッタ」は、2代目モデルが1985年に生産終了となって以来暫くの間ラインナップから姿を消していたものの、2010年3月に開催されたジュネーブモーターショーに4半世紀ぶりとなる3代目モデルが出展されました。2008年にデビューした「ミト」の兄貴分的な位置付けとなり、日本には2012年2月から導入が開始されました。
8Cやミトの流れを汲むスタイリング
ボディタイプは5ドアハッチバックで、後席用ドアノブがインビジブル処理される為一見3ドア車のように見える他、「8Cコンペティツォーネ」やミトの流れを汲むスタイリッシュなデザインが取り入れられています。又、プラットフォームは軽量高剛性な新開発のものが採用されます。ボディサイズは全長4,350mm×全幅1,800mm×全高1,460mmで、ミトよりも一回り大きいCセグメントサイズとなります。
ホイールベースはミトより120mm長い2,630mmで、車両重量は200kg前後重い1,4000~1,440kgとなっています。サスペンション形式は前:マクファーソンストラット式/後:マルチリンク式で、駆動方式はミトなどと同様FFを採用します。エンジンは、欧州仕様に用意される全6種類のガソリン及びディーゼルユニットの中から、日本には1.4L及び1.75Lの2種類の直4ガソリンターボが導入されます。
エンジンのスペックは、1.4Lが最高出力170ps/最大トルク23.5kgm、1.75Lが最高出力235ps/最大トルク30.6kgmで、トランスミッションは前者には6速DCTの「アルファTCT」が、後者には6速MTが組み合わせられました。発売当初のグレード体系は、1.4Lユニット搭載の「スプリント」「コンペティツォーネ」と、1.75Lユニット搭載の「クアドリフォリオヴェルデ」の3種類が設定されました。
走行フィールを高める装備を採用
装備面では、スイッチ操作によりエンジンやハンドリングの特性を「D」(ダイナミック)、「N」(ノーマル)、「A」(オールウェザー)の3段階に切り替えられる「D.N.Aシステム」の他、ステアリングの操舵感を切り替えられる「ダイナミック・ステアリング・トルク」や、電子制御式LSD「Q2システム」が全車に標準装備されます。又、発売当初は限定車を除き全車右ハンドル仕様でした。
そして同年8月に仕様変更を行い、ボディカラーに新色が追加された他、「クアドリフォリオヴェルデ」の左ハンドル仕様をカタログモデル化すると共に、レッドレザーシートが装備されました。次いで2013年3月に、1.4L車の最上級グレードとして内外装の一部を変更した「スポルティーバ」が追加されました。更に同年6月に、「スプリント」と「コンペティツォーネ」の間を埋める新グレード「クラシカ」が追加されました。
そして2014年5月に一部改良を実施し、フロントマスクや内装のデザインが変更された他、ローンチコントロールやタイヤ空気圧モニタリングシステムの採用など、装備の充実が図られました。同時にグレード体系が整理され、「スプリント」と「スポルティーバ」の2グレードとなりました。次いで翌2015年1月、「クアドリフォリオヴェルデ」が最高出力を240psにアップして復活しました。
アルファロメオ ジュリエッタの口コミ評価/新車購入インプレッション
アルファ・ロメオのジュリエッタ 1400ccターボの2012年式ATを新車で購入しました。見かけ以上にコンパクトなつくり。オリジナルデザインの秀逸さは、ロメオならでは、と感心させらます。軽い立ち上がりが、続く2速から3速へと続く、小気味よい加速にスムーズにつながっていくのです。
イタリア車は故障するというイメージですが
多くのファンは名車147の味をこのジュリエッタの新登場によって思い出したのではないでしょうか。147は、軽い車体と小ぶりなコンパクトな仕上がりが、長くロメオのファンを惹きつけていますが、ジュリエッタは、まさに正当後継車として位置付けられたのが手に取るように分かります。
イタリア車は一昔前までは、小さな故障やトラブルが絶えないと、言われ無きマイナスイメージもあったのは確かですが、既にコンピューター制御は当たり前の設計デザインの時代となり、そんなイメージは既に過去の物語となってしまっていると思います。
今のアルファ・ロメオには
日本の国産車の技術の優秀さは定評あるものの、今のアルファ・ロメオには、もうその面影はない。伝統と革新の両面を合わせ持つ快感に近い乗り心地は、他の追随を許さないものだと感じています。
タイヤのサイズ選びは、迷いに迷った末、16インチと18インチの二通りを選択している。かつての147がそうだったように、ワインディングロードでの車体の傾きとハンドリングは、限界と見せかけながら、どこまでも踏ん張り続けるパワーと柔軟さは、そっくりそのまま受け継がれていると感じます。
16インチタイヤがそれをもっともダイレクトにハンドルを握るドライバーに伝えてくれました。18インチタイヤは、町乗りの快適なフットワークと安定感をスムーズに伝えてくれるのです。ちょっとだけ、ヤンチャな加速感を味わうのなら16インチがお勧めです。
申し分のない機能と空間レイアウト
車内は、ほとんど申し分のない機能と空間のレイアウトです。インパネ周りのデザインは、シンプルで流れるような配置です。ブラックを基本に、メーター類、スイッチ類に施された小ぶりな赤い照明ランプは、シンプルさを基本にしていて、飽きることはありません。
使い勝手にも十分配慮がなされていて、手が自然にスイッチのもとに誘導されるようにして操作できます。基本的に、室内のデザインを生かすために、オリジナルのまま乗っていて、どこも不都合はありません。
たった一度だけ燃料メーターの表示が実際とは誤差が出たことがありますが、点検によってすぐに解決し、再発はありません。メカ系のメンテナンスはすべてディーラーに任せているので安心です。街中でよく振り向かれるほどの存在感があり、そんな優越感も日々感じます。納得の一台です。