ダイハツのスーパートール軽ワゴン「タント」は、2007年12月にフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。先代が大変好評であった為、冒険を避けキープコンセプトによる手堅いモデルチェンジとなりましたが、先代の美点を更に向上させる地道な改良が施されました。又、差別化を図った内外装を備える「タント・カスタム」も引き続き設定されました。
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ミラクルオープンドアが特徴
スタイリングは、先代のイメージを色濃く残しながらも、ボディラインはより曲線的で柔らかいものとなりました。同時に、カスタムは先代以上に押し出しの効いたフロントマスクを採用し、大人しいマスクのベースモデルとの違いが一層明確になりました。又、左側の後部ドアが従来のヒンジタイプに代わり、軽自動車初となる「ミラクルオープンドア」と称するピラーレス構造の電動スライドタイプとなりました。
ボディサイズは、全長と全高は軽自動車規格一杯の3,395mm×1,475mmで変わりなく、全高が先代より25mm高い1,750mmとなりました。又、ホイールベースが50mm延長されて2,490mmとなり、FFモデルのフロアがフラット化されるなどの変更で、定評のあった居住性は更に向上しました。前述のミラクルオープンドアの採用などに伴い車両重量はやや重くなり、900kg~1,010kgとなりました。
サスペンションは、先代の前ストラット式/後トーションビーム式(FF)・3リンク(FF)式が踏襲されました。エンジンは、これも先代同様、NAのKF-VE型とターボ付のKF-DET型が搭載されると共に、後者はカスタムのみの設定となりました。最高出力と最大トルクはそれぞれ58ps/6.6kgm、64ps/10.5kgmで、NAの最大トルクが僅かに向上した以外は同一のスペックでした。トランスミッションは、4速トルコン式ATとCVTの二本立て(ターボはCVTのみ)となりました。
エンジンの改良・変更で燃費が向上
2010年10月にマイナーチェンジを実施し、トランスミッションが全グレードCVTに統一され、従来4速トルコンATを搭載していたグレードは燃費が向上しました。次いで2011年6月に行われた一部改良の際には、NA車のKF型エンジンが新世代のものとなり、最高出力/最大トルクが52ps/6.1kgmへと低下した反面、燃費は従来の21km/Lから22.5km/Lへと向上しました。
更に同年11月の一部改良において、NA車にアイドリングストップ機構と減速エネルギー回生機構が備わり、燃費が26km/L~27km/Lへと更に向上しました。次いで2012年5月には、ターボ車にも同様にアイドリングストップ機構と減速エネルギー回生機構が備わりました。最大トルクが9.4kgmへと低下したものの、燃費はそれまでの18.2km/Lから23.5km/L~24.5km/Lへと大幅に向上しました。
2代目タントは、地味ながら着実な改良を行った事がユーザーのニーズと合致し、先代を更に凌ぐ高い人気を獲得しました。そして、それまで同社の稼ぎ頭であった「ムーヴ」を上回る販売台数を記録する事もあるなど、ダイハツを代表するベストセラーカーに成長しました。