レクサスのフラッグシップセダン「LS」は、初代モデルが北米市場で1989年にデビューしたものの、国内では「トヨタ・セルシオ」の車名で販売されました。そして2006年9月にフルモデルチェンジした北米向けとして4代目となる現行型が、国内でも「レクサス・LS」の車名でデビューしました。現在も、「メルセデス・ベンツ・Sクラス」や「BMW・7シリーズ」に匹敵するプレミアムモデルとして存在感を示しています。
大きなボディに大排気量V8エンジンの組み合わせ
スタイリングは、発売当初は奇をてらわないコンサバティブなデザインで、標準(ショート)ボディのみでスタートしました。ボディサイズは全長5,030mm×全幅1,875mm×全高1,465mm、ホイールベース2,970mm、車両重量1,940kg~2,060kgで、3代目セルシオより一回り大きく重い堂々たる体躯を誇りました。サスペンションは一新され、セルシオの4輪ダブルウィッシュボーン式から4輪マルチリンク式に変更されました。
駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンはセルシオの4.3L V8からD-4S(直噴+ポート噴射)及び世界初のVVT-iE(電動連続可変バルブタイミング機構)を採用した4.6L V8の1UR-FSE型(最高出力385ps/6,400rpm、最大トルク51kgm/4,100rpm)に変更されました。又、トランスミッションは世界初となる8速トルコン式AT「8Super ECT」が採用されました。
グレード体系は「LS460」がベースグレードで、上級グレードとして専用サスペンションや19インチホイール、大径ディスクブレーキが備わる「バージョンS」と、後席パワーシートやクールボックス、空調・オーディオコントロール機能などが備わる「バージョンU」が設定される他、それぞれのグレードに本革製インテリアを採用した「Iパッケージ」が設定されました。
ハイブリッドを追加
そして翌2007年5月、5L V8エンジン(最高出力394ps)とモーター(最高出力224ps)を組み合わせたハイブリッドシステムとフルタイム4WD方式を採用する「LS600h」と、そのロングボディ版の「LS600hL」が追加されました。ロングボディは、標準ボディよりも全長が160mm、ホイールベースが120mm延長されました。車両重量はガソリン車より200kg以上重い2,210kg~2,320kgとなったものの、燃費は30%以上優れた12.2km/Lとなりました。
翌2008年9月に一部改良を行い、LS460にロングボディの「LS460L」と4WD仕様、及び新グレード「バージョンC」が追加されました。同時に、一部グレードにミリ波レーダーによる衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」が装備されるなど、装備の充実が図られました。翌2009年10月の一部改良では、外装デザインの変更やアクティブヘッドレストの装備、新グレードの追加などが行われました。
ビッグM/Cでイメージを一新
そして2012年10月、ビッグマイナーチェンジを実施し、弟分の「GS」に採用されていた「スピンドルグリル」やスピンドル形状のテールデザインを取り入れ、エクステリアのイメージを一新しました。同時にインテリアのデザインも刷新し、操作性の改善が図られました。又、新グレードとして「バージョンL」と、専用エクステリアやサスペンション、ブレンボ製ブレーキ、鋳造アルミホイールなどが備わる「Fスポーツ」が追加されました。
次いで2014年10月、一部改良により盗難防止装置やナビゲーションシステムの強化が図られました。レクサス・LSは、国内他社には類を見ないFセグメントセダンであり、国産車として最も高価な車種の一つとなっています。