メルセデス・ベンツのプレミアムスポーツカー「SL」は初代モデルが1952年にデビューし、2011年12月に発表され2012年3月に日本への導入が開始され6代目となりました。5代目モデル同様リトラクタブルハードトップを採用するなど基本的なコンセプトを踏襲しながら、ボディシェルの大幅な軽量化やパワートレインの改良により、走行性能と燃費の向上を果たしています。
オールアルミボディを採用
ボディ形状は先代同様クーペ・カブリオレで、基本的なプロポーションを受け継ぎながら、オールアルミボディの採用により軽量化と同時に高剛性化が図られています。ボディサイズは全長4,615~4,645mm×全幅1,875mm×全高1,310~1,315mmで、先代よりも若干長くワイドなディメンションに変化した他、ホイールベースも僅かに延長され2,585mmとなっています。
車両重量は1,710~1,890kgで、同一グレード同士の比較で先代から20~130kg軽くなっています。サスペンションは形式こそ先代同様の前:4リンク式/後マルチリンク式ながら、アルミニウムを多用した新設計のものとなる他、最新の電子制御サスペンション「アクティブボディコントロール」が設定されました。駆動方式は、SL伝統のFRを踏襲します。
発売時のパワートレイン及びグレードは、3.5L V6エンジン(最高出力306ps/最大トルク37.7kgm)+7速トルコン式ATの「SL350ブルーエフィシェンシー」、4.7L V8ツインターボエンジン(最高出力435ps/最大トルク71.4kgm)+7速トルコン式ATの「SL550ブルーエフィシェンシー」、5.5L V8ツインターボエンジン(最高出力537ps/最大トルク81.6kgm)+7速湿式多板クラッチ式ATの「SL63AMG」の3種類でした。
安全・快適装備が充実
装備面では、安全運転支援システム「レーダーセーフティパッケージ」やヘッドライトの配光を自動調整する「インテリジェントライトシステム」、ワイパーブレードの穴からウォッシャー液を噴射する「マジックビジョンコントロール」、リアバンパーに足を近づけるだけでトランクの開閉操作が可能な「ハンズフリーアクセス」などが備わります。
そして同年8月に、6L V12ツインターボエンジン(最高出力630ps/最大トルク102kgm)+7速トルコン式ATを搭載するトップグレード「SL65AMG」が追加されました。次いで2013年8月に一部改良を行い、「SL350」と「SL550」から「ブルーエフィシェンシー」のサブネームが消えると同時に、従来オプション扱いだった「AMGスポーツパッケージ」が標準装備されました。
更に2014年8月の一部改良の際には、AMGモデルのみに標準装備されていた「マジックスカイコントロールパノラミックバリオルーフ」が、「SL350」と「SL550」にも標準装備されました。同時に、「SL63AMG」のエンジンを最高出力585ps/最大トルク91.8kgmまでパワーアップすると共に、リミテッドスリップデフが装備され走行性能が一段と向上しました。
そして2015年8月にも一部改良を行い、「SL350」のサスペンションが「SL550」と同様の「アクティブボディコントロール」にアップグレードされた他、シートベンチレーターやハーマンカードン製サラウンドオーディオシステム採用など装備の充実が図られました。同時に、「SL550」のエンジンの最高出力が455psに向上しました。