スバルのスポーツカー「BRZ」は、2012年3月に発売が開始されました。トヨタとの共同開発により誕生したモデルで、「トヨタ・86」とは姉妹車種の関係になります。メカニズムが世界的に見ても稀少な構成であると同時に、ファン・トゥ・ドライブな走行フィーリングを持つ事が最大の持ち味となっています。
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86とはフロントマスクが相違
ボディ形状は2ドア2シーターのクーペで、ロングノーズ・ショートデッキのプロポーションと、低く構えた流麗なフォルムを備えています。トヨタ・86と比較すると、基本的なスタイリングは同一であるものの、フロントグリルやバンパーの形状に相違があり、BRZはスバル独自のヘキサゴングリルの採用が特徴となっています。
ボディサイズは全長4,255mm×全幅1,775mm×全高1,300mmで、トヨタ・86と全く同一であり、「マツダ・ロードスター」より一回り大きく、「日産・フェアレディZ」よりは小さいサイズとなっています。ホイールベースは2,570mm、車両重量は1,190kg~1,250kgで、これもトヨタ・86と同一のスペックとなっています。
新開発のエンジンを搭載し、足回りはスバル独自のセッティング
フロントミッドシップに搭載されるエンジンは、「インプレッサ」などに搭載されるFB20型をベースに、ショートストローク化やトヨタの直噴技術を採用するなどによって新造された水平対向4気筒DOHC自然吸気のFA20型で、最高出力200ps/7,000rpm、最大トルク20.9kgm/6,400rpm~6,600rpmという高回転高出力型の性格を持ちます。
トランスミッションは、6速MTと6速トルコン式ATが設定されます。駆動方式はスバル得意の4WDではなく、軽量化を実現する為FR方式が採用されています。又、ステアリングを切る際の手応えを追求する為、意図的にフロント荷重を増加する設計が行われ、前後重量配分は53:47となっています。
サスペンションは、前ストラット式/後ダブルウィッシュボーン式で、スバル独自のセッティングが行われています。その結果、操縦安定性はテールハッピーな傾向がある86に対し、BRZはスタビリティーを重視したものとなっています。ブレーキは4輪ディスク式で、最上級グレード「S」が前後、それ以外は前のみベンチレーテッド型が採用されています。
地道な改良を重ね乗り味がアップ
2013年8月に一部改良が行われ、装備が若干変更された他、スバルテクニカインターナショナルによりチューニングが施された限定販売モデル「ts」が追加されました。ドライブシャフトの大径化や、ブレンボ性の前後ディスクブレーキ、18インチアルミホイール(標準モデルは16~17インチ)などの採用により、走行性能を更に磨き上げたモデルとなっています。
次いで2014年6月に2度目の一部改良が行われ、サスペンション・ダンパーのセッティング変更により乗り心地の改善が図られました。同時に、ルーフアンテナをシャークフィンタイプに変更し、「S」のインパネのデザインを変更した他、ボディカラーに新色が追加されました。
そして2015年4月に3度目の一部改良が行われ、電動パワーステアリングの特性変更やボディ剛性のアップにより、ステアリングフィールと乗り心地の改善が図られました。又、新グレードの追加や、「S」にクルーズコントロールの装備や高音質オーディオシステムの採用などの変更が行われました。
又、6月に再び「ts」が限定販売されました。BRZは、ピュアスポーツカーとしては比較的廉価である事や、誰にでも扱える性能やハンドリングが好評で、販売ネットワークの差などによりトヨタ・86よりは販売台数が少ないものの、発売開始依頼根強い人気を維持しています。