ポルシェは2015年12月、ミッドシップ方式を採用する2シーター・ピュアスポーツカー「ケイマン」のマイナーチェンジを発表しました。車名が「718ケイマン」に変更されるとともに、エンジンがそれまでの2.7L/3.4Lフラット6 NAから2L/2.5Lフラット4ターボに変更されました。エンジンをダウンサイジングしながらも動力性能の向上が図られたほか、環境性能の改善も実現しました。
リアまわりの意匠を変更
3ドア・フィクスドヘッドクーペ・ボディのエクステリアは、それまでのイメージを踏襲しながらも、フロントフードやフロントウィンドウなど一部をのぞき全面的にリデザインが施されました。特に、リアまわりは従来から大幅な意匠変更が図られました。ボディ・ディメンションは全長4,380mm×全幅1,801mm×全高1,294mm、ホイールベース2,475mmで、実質的に従来と同等でした。
サスペンション形式は、4輪マクファーソンストラット式が踏襲されました。グレードは、2Lターボエンジン(最高出力300ps/6,000rpm・最大トルク38.8kgm/1,950-4,500rpm)を搭載する「ケイマン」と、2.5Lターボエンジン(最高出力350ps/6,500rpm・最大トルク42.8kgm/1,900-4,500rpm)を搭載する「ケイマンS」の2タイプがラインナップされました。
最高速度・加速性能ともに向上
NAエンジン仕様の従来型と比較すると、ケイマンは25ps/9.2kgm、ケイマンSは25ps/5.1kgmの向上を果たしました。トランスミッションは従来同様、それぞれに6速MTとデュアルクラッチ式ATの7速PDKが設定されました。PDK仕様のパフォーマンスは、ケイマンが最高速度275km/h・0-100km/h加速4.7s、ケイマンSが最高速度285km/h・0-100km/h加速4.2sとなっています。
従来と比較すると、ケイマンは最高速度が11km/h向上し0-100km/h加速タイムが0.9s短縮、ケイマンSは最高速度が4km/h向上し0-100km/h加速タイムが0.7s短縮されました。また、オープンモデルの「ボクスター」との比較では、従来はケイマンの方が上級モデル扱いでエンジンの出力や動力性能の面でも勝っていたものの、718型となってからは同等の位置付けおよびパフォーマンスとなりました。
それと同時に、価格面では従来はケイマンの方が高価であったのに対し、718型では逆転しボクスターの方が高価になりました。また、安全装備面では、従来同様にSRSデュアル&サイドエアバッグシステムやABS、トラクションコントロールなどが全車に標準装備されました。ホイール&タイヤはケイマンには18インチ、ケイマンSには19インチが装着されました。
日本市場のおいては、2016年4月に受注が開始されました。ケイマン/ケイマンSのMT仕様およびPDK仕様の4タイプすべてがラインナップされ、当初は全車右ハンドル仕様でした。しかし、追って6月に左ハンドル仕様の受注が開始されました。