乗用車のボディスタイルには、セダン、クーペ、コンバーチブル、ステーションワゴン、ハッチバック、RV、ミニバンなどがあり、世界中にはそれぞれに数多くの車種が存在します。
自動車の普及はセダンを中心に
その中で、最も基本となるボディスタイルが、セダンです。4人から6人の人員とそこそこの荷物が積め、バランスの取れた走行性能を備える為、幅広いニーズに応えられるタイプです。
かつては日本においても主流を占めていたタイプですが、近年はあまり人気がなく、販売は低迷傾向です。その理由として様々な事が考えられますが、テールゲートを持つハッチバック車が普及した為、それと比較して荷物を積載する場合の使い勝手が劣る事も、要因だと思われます。
豊かなカーライフの象徴ともいえるクーペ
次にクーペですが、プライベートカーのキャラクターが濃厚なこのタイプは、高度経済成長期からバブル期にかけては若者の憧れの対象になり、国内にも多くの車種が存在しました。しかし、バブルが弾けると、ユーザーの嗜好が趣味性の高いクーペよりも実用性の高いボディを持ったタイプに移行した事や、更に少子高齢化が進行した事も手伝い、次第に車種を減らしていきました。
欧米では現在も多数のクーペモデルが存在しますが、国産車では数える程の車種しかありません。又、コンバーチブルも、かつてはコンパクトカーにも派生モデルとして用意される事がありましたが、現在はクーペと同様の理由から姿を消しています。
セダンの乗り心地と積載性を両立したステーションワゴン
続いて、ステーションワゴンですが、欧米ではセダンよりも贅沢な車と見なされるケースが多く、昔から人気がありました。一方、かつての日本では、荷室にレジャー用具を積み込んで出掛ける習慣があまりなかった事や、ワゴン=ライトバンのイメージが強かった為、敬遠される傾向がありました。
しかし、バブル期にワゴン専用車種が登場すると、ワゴンに対するイメージも変わり、次第に市民権を獲得していきました。とは言え、ハッチバック車全盛の現在では、ワゴン人気はそれ程高いとは言えません。
気軽なシティコミューター、ハッチバック
そして、そのハッチバックですが、かつては大衆車クラスも独立したトランクルームを持つセダンが主流でしたが、1970年代後半から2ボックスのハッチバック車が徐々に登場し始め、1980年代にはコンパクトカーの主流になりました。現在も、登録車に占める販売台数の割合は、このタイプが最も多くなっています。実用車として非常に合理的な車体形態である事が、人気の要因と思われます。
走行性能と快適性向上で人気となったミニバン
それから、RV車やミニバンは、かつては存在しなかった、比較的歴史の浅いカテゴリーです。1990年代に入ると、ユーザーの嗜好性の多様化に合わせるように各社からこれらのタイプが登場し、それまで主流だったセダンを淘汰し、一躍メインストリームに躍り出ました。現在はその人気もやや陰りが見え始め、特にRV車のブームは去ったと言えます。しかし、ミニバンに関しては、かつて程ではないものの根強い人気があります。