トヨタのCセグメントコンパクトカー「オーリス」は、2006年に「カローラランクス」及び「アレックス」の後継車種として初代モデルが登場し、2012年8月に初のフルモデルチェンジを実施して現行型になりました。大人しい内外装デザインだった先代から一転し、フレッシュな感覚に溢れるスタイリングやインパネを採用し、スポーティなイメージへと変貌を遂げました。
内外装をリフレッシュし基本メカニズムは踏襲
ボディのタイプは先代同様5ドアハッチバックのみが用意され、スタイリングは先代より伸びやかなプロポーションになると同時に、「キーンルック」と呼ばれるV字を基調とした挑戦的なフロントマスクが備わるのが特徴となります。ボディサイズは全長4,275mm×全幅1,760mm×全高1,460mmで、先代比から全長が30mm延長された一方で全高は30mm低く、低重心化が図られています。
ホイールベースは先代と同一の2,600mmで、車両重量は先代より20~40kg軽い1,220kg~1,300kgとなっています。エンジンは、国内仕様には先代同様の1.5L直4の1NZ-FE型と1.8L直4の2ZR-FAE型が設定され、駆動方式は先代同様FFがベースで、1.5L車のみにフルタイム4WDが設定されます。トランスミッションはCVTがメインで、1.8Lの最上級グレード「RS」に6速MTが採用される点も先代と同様になります。
エンジンのスペックは、1.5LのFF車が最高出力108ps/6,000rpm、最大トルク13.9kgm/4,800rpm、同4WD車が最高出力105ps/6,000rpm、最大トルク13.8kgm/4,400rpmとなり、1.8LのCVT車が143ps/6,200rpm、最大トルク17.6kgm/4,000rpmで、同「RS」が144ps/6,200rpm、最大トルク18.4kgm/3,800rpmとなります。又、1.5L FF車にアイドリングストップ機構がオプション設定されます。
サスペンション形式は先代と同一で、フロントがストラット式、リアは1.5L FF車がトーションビーム式でそれ以外はダブルウィッシュボーン式となります。インテリアは、独特な形状のコンソールボックスが特徴だった先代から一転し、水平基調のスッキリしたデザインのインパネに刷新されています。同時に、運転席の着座位置が低められると共に、後席のレッグルームが改善されています。
装備面では、全車にVSC(横滑り防止装置)とトラクションコントロールが標準装備される他、「RS」には大径ディスクブレーキやスポーツシートなどが備わります。そして2013年10月、「機動戦士ガンダム」とのコラボレーションモデル「シャア専用オーリス」が発売されました。専用エアロキットをはじめ全19アイテムがオプション設定される他、それらのアイテムを標準で備えるコンプリートカーが全グレードに設定されました。
ビッグM/Cで新エンジンと予防安全装備を設定
次いで2015年4月にビッグマイナーチェンジを実施し、フェイスリフトにより外観のイメージを刷新すると共に全長が55mm延長されました。又、新たにアトキンンソンサイクルを採用した1.2L直4ターボの8NR-FTS型エンジン(最高出力116ps/5,200~5,600rpm、最大トルク18.9kgm/1,500~4,000rpm)及びアイドリングストップ機構を搭載する最上級グレード「120T」が追加されました。
FF・CVT車のみの設定で、1.5L車を上回る最高出力や1.8L車をも凌ぐ最大トルクと、1.5L/1.8L車の14.4~18.2km/Lに勝る19.4km/Lの低燃費を両立させた事が特徴となっています。その他、衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティ」とレーンディパーチャーアラート、オートマチックハイビームから構成される「Toyota Safety C」が1.2L/1.8L車に標準装備、1.5L車にオプション設定されます。
先代モデル:初代オーリス