1984年に初代モデルがデビューしたトヨタのSUV「ハイラックスサーフ」は、1995年12月に6年ぶり2度目のフルモデルチェンジを実施し、3代目モデルに移行しました。先代からサスペンションや4WDシステムが一新された他、乗降性の改善や前後シートのフルフラット化といったユーティリティ面の改良、ABSやSRSデュアルエアバッグシステムの採用などによる安全装備の強化が図られました。
スタイリングは先代同様のボクシーなフォルムが受け継がれ、ボディタイプも同じく4ドアのみが設定されました。一方、パワーウィンドウとドロップゲートの組み合わせだったバックドアは、パワーウィンドウを残しつつ一般的な一体型跳ね上げ式に変更されました。又、発売当初は先代に引き続き標準ボディーとワイドボディーがラインナップされました。
ボディを拡大するも軽量に
ボディサイズは全長4,540~4,850mm×全幅1,690~1,800mm×全高1,765mmで、全高を除き先代から若干拡大され、ホイールベースも若干延長され2,670~2,675mmとなりました。一方、車両重量は新開発フレームボディの採用などにより軽量化され、1,640~1,830kgとなりました。サスペンション形式はフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:トレーリングリンクを踏襲しつつ、スプリングが前後ともコイル式となりました。
駆動方式は、発売当初は新トランスファー・マルチモード4WD採用のパートタイム4WDのみの設定でした。用意されたエンジンはガソリンNAとディーゼル・ターボで、前者は先代後期型からダウンサイジングされた2.7L直4DOHCの3RZ-FE型(最高出力150ps/最大トルク24kgm)、後者が先代からキャリオーバーされた3L直4SOHCターボの1KZ-TE型(最高出力130ps/最大トルク29.5kgm)でした。
トヨタ ハイラックスサーフのCM
エンジンの追加や置換を実施
トランスミッションは、それぞれに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、ガソリン車が「SSR-V」「SSR-X」の2タイプで、ディーゼル車はそれに加え「SSR」「SSR-G」がラインナップされました。そして翌1996年7月に、インタークーラー付の1KZ-TE型エンジン(最高出力140ps/最大トルク34kgm)を搭載した「SSR-Gインタークーラーターボ車」が追加されました。
次いで1997年8月に仕様変更が行われ、オプティトロンメーターや新デザインのステアリングホイールが採用されると共に、3.4L V6DOHCガソリンNAの5VZ-FE型エンジン(最高出力185ps/最大トルク30kgm)搭載車が追加されました。続いて翌1998年8月にマイナーチェンジが実施され、FR方式を採用すると共にボディをナロー化したガソリンエンジン搭載グレード「スポーツランナー」が追加されました。
同時に4WD車は全車ワイドボディーに一本化された他、グレード体系が整理され「SSR-X」「SSR-G」の2タイプが基本となりました。次いで2007年に2度目のマイナーチェンジが実施され、ディーゼル車のエンジンが3L直4DOHCターボの1KD-FTV型(最高出力170ps/最大トルク35.9kgm)に置換されました。同時に、トランスミッションが全車4速ATに一本化されました。
そして2002年10月にフルモデルチェンジが実施され、4代目N210系に移行しました。