トヨタは1983年10月、ピックアップトラックの50系「ハイラックス」をベースに米国企業のウィネーゴ・インダストリーが改装を行った特装車両「ウィネーゴ・トレッカー」を自社モデル化し、米国内で「4 Runner(フォー・ランナー)」の車名で発売しました。そして翌1984年5月に、日本国内でも「ハイラックスサーフ」と名付けられた上で販売が開始されました。
リムーバブルトップはFRP製
ボディタイプはリアにフレームレスのガラスハッチが備わる2ドアSUVで、着脱式のFRP製リムーバブル・ハードトップを備え、オープンエア・モータリングが可能である事が特徴でした。(但し当時の日本の道交法では、公道でのオープン走行は不可)。又、フロントシート上部にはチルト式のサンルーフが装備された他、ボディ後部に転倒時の安全対策としてロールバーが追加されました。
ボディ下回りの素材は、ヴィネーゴ・トレッカーのFRP製から一般的なスティール製に変更されました。ボディサイズは全長4,440mm×全幅1,690mm×全高1,745mmで、登録は4ナンバーのライトバン仕様でした。駆動方式はFRとパートタイム4WDが用意され、サスペンション形式は発売当初ハイラックス4WDと同様の4輪リジッド・リーフ式が踏襲されました。
エンジンは2種類でスタート
スプリングをアクスルハウジング上で固定する「オーバースラング」タイプを採用していた為、オフロードの走破性は高かったものの、オンロードでの乗り心地と操縦安定性には難がありました。エンジンは、発売当初用意されたのは2L直4OHVガソリンNAの3Y型(最高出力88ps/4,800rpm・最大トルク15.8kgm/3,400rpm)と、2.4L直4SOHCディーゼルNAの2L型(最高出力76ps/4,000rpm・最大トルク15.7kgm/2,400rpm)の2種類でした。
そして同年11月に、2.4L直4SOHCディーゼル・ターボの2L-T型エンジン(最高出力85ps/4,000rpm・最大トルク19.2kgm/3,400rpm)が追加されました。次いで翌1985年8月に、オンロードでの走行性能を改善する為の仕様向上が行われ、フロント・サスペンションの形式がそれまでのリジッド・リーフ式から、ダブルウィッシュボーン/トーションバー式による独立懸架に変更されました。
続いて1986年8月にマイナーチェンジが実施され、5ナンバー登録の乗用車仕様となる「ワゴン」が設定されました。同時にパワートレインが大幅に整理され、それまでの3Y型、2L型、2L-T型が全て廃止になり、代わって用意された昭和53年排出ガス規制適合の2L直4OHVガソリンNA電子燃料噴射仕様の3Y-E型(最高出力97ps/4,800rpm・最大トルク16.3kgm/3,800rpm)に一本化されました。又、トルコン式AT仕様も追加されました。
そして1989年5月にフルモデルチェンジが実施され、2代目N130系に移行しました。