1984年に初代モデルがデビューしたトヨタのSUV「ハイラックスサーフ」は、2002年10月に7年ぶり3度目のフルモデルチェンジを実施し、4代目モデルに移行しました。先代からフレームを刷新し高剛性化が図られると共に、ボディサイズが一回り拡大されました。同時にABSがEBD付となり、新たにブレーキアシストなどが採用されるなど安全装備が強化されました。
大きくイメージチェンジしたデザイン
スタイリングは「VIBRANT CLARITHY(ワクワクする、爽やか)がキーワードで、従来よりも都会的な雰囲気にイメージチェンジが図られました。ボディサイズは全長4,770~4,805mm×全幅1,875~1,910mm×全高1,790~1,805mmで、特に全幅が先代から大幅に拡大されました。ホイールベースは100mm以上延長され2,790mmとなり、車両重量も増加し1,720~1,980kgとなりました。
サスペンション形式は、先代同様のフロント:ダブルウィッシュボーン/コイル式・リア:トレーリングリンク/コイル式が踏襲されました。駆動方式は、トルセンLSD付トランスファーとADD(オートマチック・ディスコネクティング・ディファレンシャル)から構成されるパートタイム4WD「マルチモード4WD」の他、先代に引き続きFRも設定されました。
発売当初用意されたエンジンは、2.7L直4DOHCガソリンNAの3RZ-FE型(最高出力150ps/最大トルク24kgm)、3L直4SOHCディーゼル・ターボの1KD-FTV型(最高出力170ps/最大トルク35.9kgm)、3.4L V6DOHCガソリンNAの5VZ-FE型(最高出力185ps/最大トルク30kgm)の3種類で、いずれも先代からのキャリオーバーでスペックも同一でした。
トランスミッションは先代同様、全車に4速トルコン式ATが搭載されました。又、ブレーキはリアが先代のドラム式からベンチレーテッド・ディスク式にアップグレードされ、4輪ベンチレーテッド・ディスク式となりました。グレード体系は、発売当初下から「SSR-Xアメリカンバージョン」(2.7L車のみ)、「SSR-X」、「SSR-G」の3タイプがラインナップされました。
M/Cでエンジンのラインナップを変更
この内トップグレードとなる「SSR-G」には、17インチアルミホイール(他グレードは16インチ)、相互連携ショックアブソーバーシステム「X-REAS」、前後フォグランプ、リアスポイラー、本革巻きステアリング&シフトノブ、エンジンイモビライザーが標準装備されました。そして2005年7月のマイナーチェンジにより、フロントマスクやリアコンビネーションランプの意匠が変更されました。
同時に、5VZ-FE型エンジン搭載車のパワートレインが4L V6DOHCの1GT-FE型エンジン(最高出力249ps/最大トルク38.8kgm)+5速トルコン式ATに置換されると共に、ディーゼル車が廃止されました。又、トルセンLSDが前後トルク配分を40:60とするリニューアル版に変更された他、エンジンイモビライザーが全車に標準化されました。
そして2009年8月に、「ランドクルーザープラド」に吸収される形で生産終了となり、26年の歴史に幕を下ろしました。