トヨタは1991年1月に、コンパクトカーである4代目「ターセル」及び「コルサ」をベースとした2ドアクーペ「サイノス」を発売しました。プラットフォームやパワートレインなど基本コンポーネンツをターセル/コルサから流用しながら、スタイリッシュかつコンパクトなスペシャリティクーペに仕立てられていました。
スタイリングはスラントした低いノーズとヒップアップしたテールエンドが特徴で、乗車定員は4名でした。ボディサイズは全長4,145mm×全幅1,645mm×全高1,295mmで、全幅はターセル/コルサと同一であったものの、それよりも全長が長く全高の低いクーペに相応しいディメンションを持っていました。ホイールベースは同一の2,380mmで、車両重量は初期型で870~930kgでした。
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エンジン/グレードは2種類
サスペンション形式は、ターセル/コルサと同一のフロント:ストラット式/リア:トレーリングツイストビーム式が踏襲されました。駆動方式はフルタイム4WDも用意されたターセル/コルサと異なり、FFのみの設定でした。エンジンはターセル/コルサにも搭載される、1.5L直4DOHC EFI-D仕様の5E-FE型及び同エンジンに可変吸気システムやデュアルマニホールドを装備した5E-FHE型が用意されました。
スペックは前者が最高出力105ps/最大トルク12.9kgm、後者が最高出力115ps/最大トルク13.8kgmで、共にターセル/コルサに搭載されたユニットと同一でした。トランスミッションは、それぞれのエンジンに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。10モード燃費は、5E-FE型のMT車が17.2km/L、AT車が14.4km/L、5E-FHE型のMT車が14.8km/L、AT車が12.8km/Lでした。
又、ブレーキはフロントがベンチレーテッド・ディスク式、リアがドラム式でした。グレード体系は、5E-FE型エンジン搭載の「α(アルファ)」と5E-THE型エンジン搭載の「β(ベータ)」の2タイプとシンプルで、後者にはオプションでリア・ディスクブレーキや電子制御サスペンション「TEMS」が設定されました。
M/Cや一部改良で仕様が向上
そして翌1992年12月に実施されたマイナーチェンジにより、新たに運転席SRSエアバッグシステムやビスカスカップリングLSDが設定された他、ツートンカラーや内装表皮の変更などが行われました。同時に、5E-FE型エンジンのスペックが最高出力100ps/最大トルク12.8kgmとなりました。次いで1994年5月に、「α」をベースにリアスポイラーやリアワイパーを装備した特別仕様車「αリミテッド」が発売されました。
追って同年9月に実施された一部改良では、バニティミラーやカップホルダーが装備されると共に、ホイールキャップのデザイン変更やボディカラーに新色の追加が行われました。そして1995年8月にフルモデルチェンジが実施され、2代目L50型に移行しました。