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フィアット125 (1967-1972):旧モデルのシャシーを流用した124の兄貴分

フィアットは1967年、前年に「1300/1500」の後継モデルとして発売した「124」の上級車種となる「125」をリリースしました。シャシーは124とは異なり1300/1500用がキャリオーバーされた一方で、ボディはドア廻りなど一部の部材が124から流用されました。そのオーソドックスな成り立ちに着目され、本国のみならずポーランドやユーゴスラビアなど数か国でライセンス生産が行われました。

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DOHCエンジンを搭載

4ドアセダン「ベルリーナ」のみが用意されるボディのサイズは、全長4,232mm×全幅1,615mm×全高1,420mmで、全長は124ベルリーナより200mm長く、ホイールベースもそれより85mm長い2,505mmに設定されました。車両重量は1,030kgで、軽量設計が施された124よりも180kg程重いものでした。

駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンは1.6L直4DOHCシングルキャブレター仕様が搭載されました。アウトプットは124に搭載される1.2Lエンジンを5割程上回る最高出力90ps/最大トルク13kgmで、4速MTとの組み合わによる最高速度は20km/h程勝る161km/hに達しました。又、ブレーキは124同様に当時の乗用車としては先進的な4輪ディスク式が採用されました。

少量生産のクーペも登場

サスペンションは、1300/1500同様のフロント:ダブルウィッシュボーン+コイル式/リア:リジッド・リーフ式という古典的な形式が採用されました。ところで、同じ年にこのベルリーナとは全く異なるスタイリングを持つ、2つの2ドアクーペが発表されました。ひとつはヴィニャーレの手による「125Sサマンサ」で、丸型2灯式ヘッドランプが備わるスラントしたノーズと、ファストバックのフォルムを備えていました。

そしてもうひとつはサガートの手による「125GTZ」で、こちらはエッジの効いたフォルムと、角型4灯式ヘッドランプが備わる個性的なフロントマスクが特徴でした。いずれもフィアット自製の「124スポルト・クーペ」などのような量販モデルではなく、少数が生産されたに留まりました。

一方ベースモデルのベルリーナは、翌1968年に1.6Lエンジンのアウトプットを最高出力100ps/最大トルク14kgmに高めて搭載する「スペチアーレ」が追加されました。トランスミションは5速MT又は3速トルコン式ATが組み合わせられ、前者は最高速度170km/hの性能を発揮しました。次いで1970年のフェイスリフトでフロントグリルの意匠などが変更された後、1972年に後継モデル「132」の発売に伴い生産終了となりました。

その一方で、イタリア以外の国でのライセンス生産はそれ以降も継続され、中でもポーランド製の「ポルスキ・フィアット125P」は、本国仕様にはなかった5ドアステーションワゴンを含め1991年まで生き永らえました。

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