1954年にGM・シボレー部門初の2シータースポーツカーとして誕生した「コルベット」は、2005年に8年ぶり5度目のフルモデルチェンジを受け、6代目C6型に移行しました。先代C5型からボディ構造や基本メカニズムを踏襲しながらも、ボディの空力特性や動力性能、操縦安定性、乗り心地など全方位において改善が図られました。
リトラクタブルヘッドランプを廃止
ボディタイプはC5型同様、クーペとコンバーチブルがラインナップされました。エクステリアはエッジの効いたシャープなフォルムに変貌すると共に、C2型以来の伝統であったリトラクタブルヘッドランプに代わりカバー付の固定式ヘッドランプが採用されました。又、Cd値はC5型より0.01ポイント低い0.28を実現しました。
ボディサイズは全長4,435mm×全幅1,844mm×全高1,246mmで、C5型から全長・全幅が縮小された一方で全高は若干高められました。又、ホイールベースは30mm程延長され2,686mmとなりました。サスペンション形式は4輪ダブルウィッシュボーン/リーフ式を踏襲する他、FRの駆動方式やトランスアクスルレイアウトもC5型から受け継がれました。
先代から排気量を拡大
エンジンは従来の5.7L V8OHVをベースに排気量が6Lに拡大され、最高出力は51psアップの406ps、最大トルクは5.6kgmアップの55.4kgmとなりました。組み合わせられるトランスミッションは、当初6速MTと4速トルコン式ATが設定され、前者を選択した場合は最高速度300km/h・0-100km/h加速4.7sのパフォーマンスでした。
そして翌2006年、ATが6速に多段化されると共に、全幅1,935mmにワイド化したクーペボディに7L V8OHVエンジン(最高出力511ps/最大トルク65kgm)+6速MTを搭載し、足回りやブレーキを強化した高性能版「Z06」が追加されました。次いで2007年、標準モデルのエンジンが6.2Lに拡大され、スペックが最高出力436ps/最大トルク59.1kgmとなりました。
究極の高性能モデル「ZR1」を追加
更に2008年、リアスポイラーやカーボン製ルーフ&ボンネットフードなどが備わるクーペボディに、6.2L V8OHVスーパーチャージドエンジン(最高出力647ps/最大トルク83.5kgm)+6速MTを搭載、最高速度330km/h・0-60mph加速3.4sの性能を持つ究極の高性能モデル「ZR1」が追加されました。そして2014年にフルモデルチェンジが実施され、現行C7型に移行しました。
C6型コルベットの日本初上陸は2005年2月で、当初グレード名無しのクーペとコンバーチブルのラインナップでした。そして2006年2月にZ06が追加され、2007年10月及び2008年1月に標準モデルのエンジンが6.2Lに切り替えられました。次いで2010年8月にZR1が追加され、2012年1月にはクーペ標準モデルに代わりZ06/ZR1同様のワイドボディを採用した「グランスポーツクーペ」が設定されました。