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ルノー エスパス (初代 1984-1991):マトラ社が開発を手掛け、欧州初のミニバンとして大ヒット

ルノー エスパス 1984

ルノーは1984年4月、欧州初のミニバンとなる「エスパス」を発表しました。開発・生産を担当したのは当時PSAと提携関係にあったマトラ社で、同社が手掛けていたコンセプトモデルがPSAに受け入れられなかった為、ルノーが業務提携を持ち掛け市販化が実現したモデルでした。斬新なコンセプトに加え、欧州ではライバルが存在しなかった事も手伝い大ヒットとなりました。

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スケルトン構造による軽量ボディ

オールヒンジ式ドア採用の5ドアモノボックス型ボディは、一般的なモノコック構造ではなく、スチール製フレームとFRP製ボディを組み合わせたスケルトン構造が採用されました。スタイリングは、強い傾斜の付けられたAピラーとそれに直線的に続く短いボンネットフード、そして8ライトのサイドウィンドウが特徴でした。

ルノー エスパス 1984

ボディ・ディメンションは全長4,250mm×全幅1,777mm×全高1,660mm、ホイールベース2,580mmで、車両重量はボディ容積の割に軽量な1,200kgに抑えられていました。又、基本コンポーネンツの一部はミディアムセダン/ワゴン「18」からの流用で、縦置きFF方式のレイアウトやダブルウィッシュボーン式のフロント・サスペンションなどが踏襲されました。

ルノー エスパス 1984

一方リア・サスペンションには、マトラ社オリジナル設計によるトレーリングアーム+パナールロッドによるリジッド・アクスル式が採用されました。フロントに搭載されるエンジンは、プレミアムセダン「25」用のガソリン2L直4SOHC NAシングルキャブレター仕様で、最高出力108ps/最大トルク16.3kgmのアウトプットを発生しました。

トランスミッションは5速MTが組み合わせられ、最高速度175km/h・0-400m加速18.1sの性能を発揮しました。又、ブレーキはフロントがベンチレーテッド型の4輪ディスク式が、ステアリング形式はパワーアシスト付のラック&ピニオン式が採用されました。その他、タイヤは前後共に185/70SR13が装着されました。

フルタイム4WD仕様などを追加

一方、室内は3列シート7人乗り仕様で、1列目シートが回転式となる他、2/3列目シートは背もたれを倒してテーブルとして使用する事や取り外しが可能であるなど、多彩なシートアレンジを備えていました。そして同年末に、2.1L直4SOHCディーゼルターボエンジン(最高出力89ps/最大トルク18.5kgm)搭載車が追加されました。

ルノー エスパス 1988

次いで1988年に実施されたフェイスリフトにより、逆スラント型だったフロントマスクがスラント型に変更されました。同時に、2.2L直4SOHCガソリンNA電子燃料噴射仕様エンジン(最高出力110ps/最大トルク17.7kgm)搭載車と、ルノー初のフルタイム4WD方式を採用し、リア・サスペンション形式をド・ディオン・アクスル式に変更した「クワドラ」がラインナップに加わりました。

そして1991年にフルモデルチェンジが実施され、2代目モデルに移行しました。

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エスパス
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