初代「ステップ ワゴン」は、1996年5月に、国産車初のトール系ミニバンとして発売されました。ホンダのミニバンとしては、その2年前に発売された「オデッセイ」に次ぐ第2弾でしたが、それとは違う個性が与えられました。3ナンバーサイズで車高が比較的低く抑えられていたオデッセイと事なり、5ナンバーサイズの全幅とワンボックス車並みの全高を持つ、独特のディメンションが特徴でした。
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ユニークなディメンションと優れたパッケージング
スタイリングは、直線を基調としたボクシーなもので、加飾がなくシンプルで、実直な雰囲気を醸していました。後席にアクセスする為のドアは、左側のスライドドアのみで右側にはなく、テールゲートと併せて4ドア仕様でした。ボディサイズは、全長4,605mm×全幅1,695mm×全高1,830mm~1,845mmで、全幅より全高の数値の方が大きいディメンションは、ワンボックス車以外では異例のものでした。車両重量は1,410kg~1,530kgで、ボディサイズの割には軽量でした。
パッケージングは秀逸で、広大な室内スペースを実現すると同時に、低いフロアにより優れた乗降性を備えていました。又、2列シート5人乗り仕様と3列シート8人乗り仕様とが選択出来た他、更に3列シート仕様は「回転対座シート」と「ポップアップシート」が選択出来ました。3列目へのウォークスルーを望むなら回転対座シート、荷室スペースを優先するならポップアップシートの選択が適切でした。
パワートレインは1種類
パワートレインは、CR-Vと共通のB20B型2L直4NAエンジンと、4速トルコンATの組み合わせのみが用意されました。エンジンの最高出力は125ps、最大トルクは18.5kgmで、ミニバンというキャラクターに合わせ大幅にデチューンされていました。駆動方式はFFがベースで、他にフルタイム4WDが用意されました。4WD方式は、CR-Vと同様デュアルポンプ式のオンデマンドタイプで、雪上性能はやや劣りました。
マイナーチェンジで安全性が向上
1997年8月にマイナーチェンジが実施され、全グレードにABSと運転席・助手席SRSエアバッグシステムが標準装備され、安全性が向上しました。そして1998年1月には、FRP製ポップアップルーフを装着した「フィールドデッキ」がバリエーションに加わり、アウトドア志向のユーザーニーズに応えました。
1999年5月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトを施した他に、新衝突安全設計ボディやEBD付きABSが採用され、安全性が一段と向上しました。又、エンジンのパフォーマンスが向上し、最高出力135ps、最大トルク18.8kgmとなりました。
初代ステップワゴンは、そのコンセプトが消費者の支持を集め、発売当初から販売は非常に好調で、ホンダの屋台骨を支えるドル箱的な存在となりました。