ダイハツの軽トールワゴン「ムーヴ」は、このタイプの元祖的存在である「スズキ・ワゴンR」の登場から遅れる事約2年の、1995年8月に発売されました。「ミラ」のプラットフォームを流用し(ホイールベースも同一)、ワゴンRに類似したプロポーションを持つ背の高い1.5ボックスボディを備えていました。
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トールボディながら軽量設計、エンジンは新開発
ボディサイズは、全長と全幅は当時の軽自動車規格一杯の3,295mm×1,395mmで、全高はミラなどのハッチバック車より遥かに高く、ワゴンRよりは若干低い1,620mmでした。ボディ形状は、極限まで短縮されたボンネットと大きなグラスエリアを持つ点はワゴンRと共通ながら、左側後部にもドアを備える5ドアであった事と、テールゲートが横開き式である事が相違点でした。
車両重量は、690kg~800kgで、ボディ容積の拡大に伴いミラより重くなったものの、ワゴンRよりは30kg程軽量に仕上げられていました。エンジンはミラとは異なり、新開発された直3 DOHC NAのEF-GL型とEF-ZL型、及び直4 DOHCターボのJB-JL型の3種類が用意されました。最高出力と最大トルクは、それぞれ52ps/5.8kgm、55ps/6.2kgm、64ps/10.2kgmでした。
トランスミッションは、全グレードに5速MTが用意された他、NA車には3速、ターボ車には4速のトルコン式ATが設定されました。駆動方式はFFがベースで、NA車にのみ4WDが用意されました。4WDの方式は、AT車がフルタイム式、MT車が軽乗用車では少数派となっていたパートタイム式でした。サスペンションは、前マクファーソンストラット式/後セミトレーリングアーム式(FF)・トレーリングリンク式(4WD)でした。
インテリア面では、ミラのダッシュボードが流用された他、シートポジションもミラとほぼ同一で、全高の割には低いものでした。その点、専用設計のダッシュボードを持ち、シートポシジョンも全高に合わせ高めに設定されていたワゴンRとは相違がありました。一方、後席のスライドが可能である点が、ワゴンRにはない特徴でした。
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新エンジンや派生モデルを追加
1996年9月の一部改良により、全グレードに運転席SRSエアバッグシステムが装備された他、エンジンのバリエーションに新たに直3 DOHCターボのEF-RL型(最高出力64ps/最大トルク10.7kgm)が加わりました。1997年5月の一部改良の際には、フロントグリルやフロントフェンダーの形状を変更し、スポーティな雰囲気に仕上げた派生モデル「カスタム」が追加されました。
初代ムーヴは、一部の評論家から、ワゴンRのコンセプトをコピーした商品であると酷評される事がありました。しかし、優れた居住性や使い勝手の良さにより消費者からの反応は上々で、発売当初からワゴンRと人気を二分するベストセラーとなりました。
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