フォード・モーター(ヨーロッパ・フォード)は1993年、1982年にリリースした「シエラ」の後継モデルとなる小型乗用車「モンデオ」を発売しました。シエラから基本設計が一新され、その優れたトータルバランスによりヨーロッパ・カーオブザイヤーに輝きました。生産は、シエラが主に欧州で行われたのに対し、モンデオはアメリカでも行われました。
シエラからスタイリングを一新
ボディタイプは、シエラに設定されていた3ドアハッチバックが廃止され、5ドアハッチバックと4ドアセダン、5ドアステーションワゴンの3タイプのラインナップとなりました。スタイリングは直線基調のシエラから一転、丸みを帯びたフォルムが採用されました。また、ハッチバックはラップランド・リアウィンドウを備えていました。
初期モデルMk1のボディサイズは、全長4,481mm(セダン/ハッチバック)/4,631mm(ステーションワゴン)×全幅1,747mm(セダン/ハッチバック)/1,745mm(ステーションワゴン)×全高1,372mm(セダン/ハッチバック)/1,391mm(ステーションワゴン)で、シエラから全長と全幅が拡大された一方、全高は低められワイド&ローなディメンションとなりました。
駆動方式をFFベースに変更
ホイールベースは2,704mmで、シエラから100mm程延長されました。サスペンション形式は、フロントはマクファーソンストラット式を踏襲し、リアはストラット式からクワドラリンク式に変更されました。駆動方式は、シエラのFRおよびFRベースのフルタイム4WDからFFおよびFFベースのフルタイム4WDに変更されました。
エンジン・ラインナップは一新され、まず1.6L直4DOHC(最高出力90ps/最大トルク13.8kgm)、1.8L直4DOHC(最高出力95ps/最大トルク14.5kgm)、2L直4DOHC(最高出力136ps/最大トルク17.9kgm)のガソリンNA3種類と、1.8L直4SOHCディーゼルターボ(最高出力90ps/最大トルク18.1kgm)が用意されました。組み合わせられるトランスミッションは、5速MTまたは4速トルコン式ATでした。
1994年のビッグM/Cで外観を一新
そして翌1994年に、2.5L V6DOHCガソリンNAエンジン(最高出力177ps/最大トルク22.4kgm)が追加されました。次いで1996年のビッグマイナーチェンジによりMk2に移行、フロントマスクおよびリアエンドが当時のフォードのデザインポリシーであった「オーバルデザインコンセプト」に則った丸みを帯びた造形に一新されました。
続いて1998年、2.5L V6エンジンが若干排気量の小さい新ユニットにリニューアルされ(アウトプットは不変)、翌1999年には同エンジンのハイチューン版(最高出力205ps/最大トルク24kgm)を搭載する「ST200」が追加されました。そして2000年にフルモデルチェンジが実施され、2代目Mk3に移行しました。
日本市場においては、1994年6月にセダンとワゴンの導入が開始されました。当初のラインナップは、ガソリン1.8Lエンジン+4速AT搭載の「LX」と2Lエンジン+4速AT搭載の「GLX」「GHIA」の3タイプでした。追って1995年10月に、1.8Lディーゼルまたは1.8Lガソリンエンジン+5速MT搭載のエントリーグレード「L」追加されました。次いで1996年11月に、Mk2への切り替えが行われました。