1986年にフォード・モーターからリリースされたAセグメント・コンパクトカー「フェスティバ」は、1993年1月に7年ぶりにして初のフルモデルチェンジを受け、2代目モデルに移行しました。先代からプラットフォームやエンジン・ラインナップが変更されるとともに、スタイリングが一新されました。引き続き日本市場にも導入されたものの、初代ほどの人気は獲得できませんでした。
曲線基調のスタイリングを採用
ボディタイプは、3ドア/5ハッチバックと4ドアセダンの3タイプで、先代に設定のあった5ドアステーションワゴン/バンは廃止されました。このうち、日本市場には3ドアハッチバックのみが導入されました。スタイリングは、直線基調のボディラインと台形フォルムが特徴だった先代から一転し、曲線基調の流麗なフォルムが採用されました。
ボディサイズは全長3,825mm×全幅1,655~1,670mm×全高1,440mmで、先代から全長と全幅が拡大された一方、全高は若干低められワイド&ローなディメンションとなりました。ホイールベースは2,310mmで、先代から15mm延長されました。駆動方式はFFを踏襲し、エンジンは1.3L直4SOHC(最高出力76ps/最大トルク10.2kgm)と1.5L直4SOHC(最高出力100ps/最大トルク12.1kgm)が用意されました。
先代に用意されていた1.1L直4SOHCと1.3L直4DOHCは、廃止されました。トランスミッションは両エンジンに5速MTと4速に多段化されたトルコン式ATが設定され、1.1L車の廃止に伴い4速MTの設定はなくなりました。サスペンション形式は、フロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式が踏襲されました。
2代目フェスティバのCM
新車情報’93 フォード フェスティバ
フロントブレーキをアップデート
ステアリング形式はラック&ピニオン式を踏襲する他、先代同様グレードによりパワーステアリングが標準装備またはオプション設定されました。また、ブレーキはフロントのディスクブレーキがソリッド式からベンチレーテッド式にアップデートされ、リアは従来同様のドラム式が採用されました。一方室内は、ファストバック・スタイルの採用により後席のヘッドルームが縮小されました。
日本向けモデルのグレード体系は、当初下から1.3Lエンジン搭載の「J」「JX」、1.5Lエンジン搭載の「SX」「SZ」の4タイプがラインナップされました。その後、1995年12月に仕様変更が実施され、パワーステアリングが全車に標準化されました。同時にグレード体系の見直しが行われ、1.3Lエンジン搭載の「J」「Jキュッセ」「JZ」、1.5Lエンジン搭載の「SZリミテッド」のラインナップとなりました。
そして1996年7月をもって日本での販売は終了となったものの、他の地域では1997年にフェイスリフトが施された上で2000年まで販売が続けられました。