BMWは1968年1月、ミディアムクラスの2ドアモデル「02シリーズ」の第一弾となる、セダンタイプの「2002/2002ti」をリリースしました。その始祖となったのは、1966年に4ドアセダン「1600」の2ドアバージョンとしてリリースされた「1600-2」で、同モデルは後に車名が「1602」に変更され02シリーズの一員となりました。
4ドア車よりコンパクトなボディ
ボディタイプは、当初は2ドアセダンのみの設定でした。基本的に4ドアモデルと共通のイメージを持つボディのサイズは、全長4,230mm×全幅1,590mm×全高1,410mmで、4ドアモデルよりも一回りコンパクトにまとめられていました。また、ホイールベースはそれより50mm短い2,500mmに設定されていました。
駆動方式はコンベンショナルなFRを踏襲し、エンジンは2002には2L直4SOHCソレックス・シングルキャブレター仕様(最高出力98hp/最大トルク16kgm)が、2002tiには同ソレックス・ツインキャブレター仕様(最高出力120hp/最大トルク17kgm)が搭載されました。組み合わせられるトランスミッションは、ともに4速MTが標準でした。
さらに、オプションで2000に3速トルコン式ATが、2000tiに5速MTが用意されました。最高速度は、2000/4速MT仕様が171km/h、2000ti/5速MT仕様が185km/hでした。サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リアがセミトレーリングアーム式で、4ドアモデルから変更はありませんでした。
また、ウォーム&ローラー式のステアリング形式や、フロント:ディスク式/リア:ドラム式のブレーキ形式も共通でした。その後1971年に、「1800」と共通の1.8L直4SOHCソレックス・シングルキャブレター仕様エンジン(最高出力90hp/最大トルク14.6kgm)を搭載する「1802」と、「2000tii」と共通の2L直4SOHC燃料噴射仕様エンジン(最高出力130hp/最大トルク18kgm)を搭載する「2000tii」が追加されました。
カブリオレやターボ車を追加
両モデルのうち、2000tiiの最高速度は190km/hに達しました。また、1600-2が1602に車名変更されたのもこの年のことでした。さらに同年にボディ・バリエーションの拡充も図られ、固定式のB/Cピラーとサイドウィンドウ・フレームを持つ2ドア・セミオープンボディに、2002と共通のエンジンを搭載する「2002カブリオレ」がラインナップに加わりました。
次いで1973年9月、前年に登場したコンペティションモデル「2002tik」のロードゴーイングバージョンとなる「2002ターボ」がリリースされました。エンジンは、2002tikに搭載される2L直4SOHC燃料噴射ターボエンジンのデチューン版(最高出力170hp/最大トルク24.5kgm)が搭載され、4速MTとの組み合わせにより最高速度209km/h・0-60mph加速7.3sのパフォーマンスを発揮しました。
また、同じ年に1.6Lエンジンを最高出力80hp/最大トルク12kgmにデチューンして搭載する廉価モデル「1502」も追加されました。そして1975年、大半のグレードが後継モデルの初代「3シリーズ」にバトンタッチして生産終了となってものの、1502のみ1977年まで継続生産されました。
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