トヨタの3ドアハッチバッククーペ「セリカXX」は、1981年7月に弟分の「セリカ」と共にフルモデルチェンジを実施し、2代目となりました。初代モデルがゴージャスさをセールスポイントにしたスペシャリティカー路線であったのに対し、2代目モデルは高性能エンジンや空力ボディを採用し、走行性能を追求したスポーティカーへと路線変更が行われました。
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リトラクタブルヘッドランプを採用
ボディ形状は、先代同様セリカのリフトバックモデルをベースとするテールゲートを備えたファーストバッククーペで、先代と比較すると直線的でシャープなイメージのスタイリングに変貌を遂げました。又、今回XXのみにリトラクタブルヘッドランプが採用され、外観の差別化がより明確になりました。空力特性も向上し、Cd値0.35という優秀な数値を実現しました。
ボディサイズは全長4,600mm×全幅1,685mm×全高1,315mmで、先代よりも全幅が若干ワイドになり、セリカと比較すると全長が165mm、全幅が20mm、全高が5mm拡大されていました。ホイールベースは先代よりも15mm短く、セリカより115mm長い2,615mmでした。車両重量は、ボディサイズと搭載エンジンの相違により、セリカより100kg以上重い1,165kg~1,250kgでした。
エンジンを一新し、装備も豪華に
サスペンション形式は先代の後期型と同様、前:ストラット式/後:セミトレーリングアーム・コイル式が採用されました。ブレーキは先代同様全車4輪ディスク式で、最上級グレードのみフロントにベンチレーテッド型が採用されました。駆動方式は先代同様のFRを踏襲する一方、エンジンは一新され、2L直6SOHCの1G-EU型及び2.8L直6DOHCの5M-GEU型が搭載されました。
スペックは、前者が最高出力125ps/5,400rpm、最大トルク17.5kgm/4,400rpm、後者が最高出力170ps/5,600rpm、最大トルク24kgm/4,400rpmでした。トランスミッションは、それぞれ5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。グレード体系は、2L車が上から「2000G」「2000S」「2000L」の3種類、2.8L車が同じく「2800GT」「2000G」の2種類が設定されました。
インテリアは、エクステリア同様先代からイメージを一新し、遥かにモダンなデザインのインパネやステアリングが採用されました。又、装備面でもクルーズコンピューターや5スピーカーを採用した高音質カーオーディオシステム、8ウェイスポーツシートといった豪華な装備が奢られるなど、スポーティカー路線に転向しながらも先代以上にハイグレード化が図られました。
高性能版を追加するなど性能が向上
翌1982年2月、2L直6SOHCターボのM-TEU型エンジン(最高出力145ps/6,000rpm、最大トルク21.5kgm/3,000rpm)を搭載するグレード「G-Turbo」及び「S-Turbo」が追加されました。次いで同年8月には、2L直6DOHC24バルブNAの1G-GEU型エンジン(最高出力160ps/6,400rpm、最大トルク18.5kgm/5,200rpm)を搭載するグレード「2000GT」が追加された他、GTなど上級グレードにデジタルメーターが採用されました。
翌1983年8月にマイナーチェンジを実施し、バンパーの形状変更やドアミラーの標準化などの外装変更を行い全長が60mm拡大されると同時に、1G-GEU型を除きエンジンのスペックが向上しました。1G-EU型が最高出力130ps/5,400rpmに、M-TEU型が最高出力160ps/6,000rpm、最大トルク23.5kgm/3,000rpmに、5M-GEU型が最高出力175ps/5,600rpm、最大トルク24.5kgm/4,400rpmになりました。
セリカXXのCM
そして1986年2月にフルモデルチェンジを実施すると共に、前年に一足早くフルモデルチェンジを実施したセリカと袂を分かち完全に別の車種となり、北米向けモデルに命名されていた「スープラ」の車名に変更されました。