日本を代表するハイパフォーマンスGTカーであった「スカイラインGT-R」は、まず1969年に初代モデル「スカイライン2000GT-R」が発売され、次いで1973年1月にパワートレインを4代目スカイラインのボディに移植した2代目モデルがデビューしました。しかし、公害対策・環境対策が強化されつつあった時代の潮流に沿えず、僅かな生産期間と生産台数に終わった幻の名車となりました。
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丸型4灯式テールランプを初採用
スタイリングは基本的に4代目スカイラインハードトップ2000GT/GT-Xと共通で、先代から独特なサーフィンラインを受け継ぐ一方で、丸型4灯式テールランプが新たなアイデンティティとして採用されました。2000GT/GTXとの相違点は、専用デザインのフロントグリルやブラックの前後オーバーフェンダー、テールエンドに装備されたリアスポイラーなどでした。
ボディサイズは全長4,460mm×全幅1,695mm×全高1,380mmで、先代後期型からそれぞれ130mm×30mm×10mm拡大されました。又、ホイールベースも40mm延長され2,610mmとなった他、車両重量も45kg増加し1,145kgになりました。サスペンション形式は先代同様のフロント:ストラット式/リア:セミトレーリングアーム式を踏襲する一方で、フロントのみだったスタビライザーがリアにも装着されました。
エンジンはスペックも含め先代と同一
駆動方式はFRを踏襲し、搭載されるエンジンもR380用譲りの2L直6DOHC4バルブ3連キャブレター仕様のS20型をそのまま受け継ぎました。スペックは、ハイオクガソリン仕様が最高出力160ps/7,000rpm・最大トルク18kgm/5,600rpm、レギュラーガソリン仕様が最高出力155ps/7,000rpm・最大トルク17.6kgm/5,600rpmで、先代と同一でした。
トランスミッションも先代同様の5速MTで、最高速度はハイオク仕様で先代と同一の200km/hと公表されました。又、ブレーキはリアが先代のドラム式からディスク式に変更されると同時に、フロントのディスクブレーキがマスターバック付となりました。その他の変更点としては、100Lの大容量が特徴的だったガソンリンタンクが55Lへと大幅に縮小されました。
インテリアは、エクステリア同様全面的なデザイン変更が行われ、インパネ上のメーターが先代の6連式から7連式に変更されました。又、木目調パネルなどを採用したラグジュアリーな2000GT-Xと異なり、シルバーのパネルやブラックのフルバケットシートを採用しレーシーな雰囲気に仕上げられていました。その一方で、先代ではオプション扱いだったラジオが標準装備されました。
2代目スカイライン2000GT-Rは、搭載するS20型エンジンが昭和48年排出ガス規制に適合出来なかった為、発売開始から僅か3ヶ月後の4月に生産終了となりました。その結果、2千台余りが生産された初代モデルに対し、僅か197台が生産されたに過ぎませんでした。レースへの参戦もなかったものの、その稀少性から生産終了後に人気が沸騰し、現在も中古車市場において新車販売価格の数倍の価格で取引されています。