1969年に初代モデルがデビューした日産のハイパフォーマンスGTカー「スカイライン2000GT-R」は、1973年に2代目モデルが生産終了となり長らくラインナップから途絶えていました。そして16年後の1989年8月、スカイラインとしては4代ぶりの復活となる後継モデル「スカイラインGT-R」が発売されました。その歳月の流れに相応しい高い性能を備えたモデルでした。
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往年を彷彿とさせる丸型4灯式テールランプを採用
ボディは同年5月に発売された8代目スカイラインと基本的に同一で、4ドアセダンと2ドアクーペのバリエーションから後者が選択されました。直線基調のシャープなデザインのボディは、かつてのようなサーフィンラインこそ備わらないものの、GT-Rのアイデンティティとして2代目2000GT-Rを彷彿とさせる丸型4灯式テールランプが採用されました。
標準モデルに対しては、専用フロントマスクや張り出した前後フェンダー、専用テールウイング、専用16インチアルミホイールなどにより差別化が図られました。ボディサイズは全長4,545mm×全幅1,755mm×全高1,340mmで、標準モデルより全長が10mm、全幅が60mm拡大され、全高は5mm下げられました。ホイールベースは2,615mmで、初期型の車両重量は1,430kgでした。
最新の駆動・操舵システムとターボエンジンを搭載
サスペンション形式は4輪マルチリンク式で、駆動方式はかつての2000GT-RがFRであったのに対し、電子制御トルクスプリット式4WD「ATTSA E-TS」が採用されました。同時に、電子制御4輪操舵システム「Super HICAS」を採用するなど、当時の日産の技術の粋を集めたメカニズムが搭載されました。エンジンは、2.6L直6DOHCツインターボのRB26DETT型が搭載されました。
スペックは最高出力280ps/6,800rpm・最大トルク36kgm/4,400rpmで、最高出力こそ当時の自主規制枠に縛られ技術的に可能な上限値に届かなかったものの、国産車としてはトップレベルのものでした。又、かつての2000GT-Rに搭載されたS20型エンジンと比較すると、最高出力は約1.8倍、最大トルクは2倍に達する圧倒的な性能差がありました。
トランスミッションは5速MTで、ブレーキは4輪ベンチレーテッドディスクが採用されました。そして1990年2月に、グループAホモロゲーションモデル「GT-R NISMO」が500台限定で発売されました。タービンをセラミック製からメタル製に換装すると共に、フードスポイラーやエアインテーク付フロントバンパーを採用した他、リアワイパーが廃止されました。
次いで1991年8月にマイナーチェンジを実施し、内外装の一部変更が行われた他、衝突安全対策としてサイドインパクトビームを追加した事により車両重量が50kg増加しました。次いで1993年2月に2度目のマイナーチェンジを実施し、クラッチ構造の変更が行われると同時に、ブレンボ製ブレーキとBBS製17インチアルミホイールを装備する「Vスペック」が追加されました。
3代目スカイラインGT-Rはこの種のハイパフォーマンスカーとしては大ヒットし、1994年11月に生産終了となるまでに4万4千台近くが生産されました。