1972年に初代モデルがデビューした富士重工業の軽自動車「スバル・レックス」は、1986年11月に5年ぶり2度目のフルモデルチェンジを受け3代目モデルに移行しました。定評のあった居住性が更に向上した他、フルタイム4WD車やECVT(CVT)車など新たなメカニズムを採用したモデルが追加された事が特徴でした。
ボディタイプは先代同様5ドアハッチバックセダンと3ドアハッチバックバン「コンビ」が設定され、スタイリングは直線基調のボディラインを踏襲しながら、スラントノーズや傾斜の強められたフロントウィンドウの採用などによりイメージチェンジが図られました。初期型のボディサイズは全長3,195mm×全幅1,395mm×全高1,430mmで、先代より全高が高く設定されました。
3バルブエンジンも用意
又、ホイールベースが40mm延長され、2,295mmとなりました。駆動方式は当初先代同様にFFとパートタイム4WDが設定され、サスペンション形式はFF車はフロント:ストラット式/リア:セミトレーリングアーム式を踏襲、4WD車は4輪ストラット式に変更されました。エンジンは当初、先代から550cc直2SOHCのEK23型がキャリオーバーされました。
ターボチャージャー仕様が廃止されNA仕様のみとなった一方、従来同様の2バルブ仕様(最高出力30ps/最大トルク4.2kgm)に加え、新たに3バルブ仕様(最高出力36ps/最大トルク4.4kgm)が用意されました。トランスミッションは4速MTの他に、先代の電磁オートクラッチ式4速2ペダルMTに代わり2速トルコン式ATが用意されました。
そして翌1987年2月にツインビスカスカップリング方式採用のフルタイム4WD車が、追って同年7月にECVT車が追加されました。次いで1988年3月に、MSC(メカニカルスーパーチャージャー)仕様のKE23-Z型エンジン(最高出力55ps/最大トルク7.4kgm)を搭載するスポーティグレードと、電動開閉式オープントップ仕様グレードが追加されました。
レックスのCM「REX ECVT 誕生」 1988
M/Cで4気筒エンジンに置換
続いて1989年6月、マイナーチェンジによりフロント廻りとリア廻りの意匠が変更されると共に、エンジンが新開発の550cc直4SOHCのEN05型に置換されました。スペックはNA仕様が最高出力38ps/最大トルク4.5kgm、MSC仕様が最高出力61ps/最大トルク7.6kgmで、共に従来の2気筒ユニットから向上を果たしていました。同時に、ATが全車ECVTに統一されました。
レックスのCM「660cc4気筒」
次いで1990年2月に軽自動車新規格に対応する為のマイナーチェンジが実施され、全長が100mm延長されると共にエンジンが660ccに拡大されたEN07型に置換されました。新たにNA電子燃料噴射仕様を設定、最高出力/最大トルクはNAキャブレター仕様が42ps/5.3kgm、同電子燃料噴射仕様MT車が48ps/5.4kgm、同ECVT車が46ps/5.5kgm、MSC仕様が64ps/8.6kgmとなりました。
同時に、3ドア車からコンビのサブネームが取れ「レックスバン」となりました。そして1992年3月に後継モデル「スバル・ヴィヴィオ」にバトンタッチして生産を終了、初代モデル以来20年の歴史に幕を下ろしました。
3代目レックス
https://b-cles.jp/car/subaru_rex_3rd.html
レックスの後継スバル ヴィヴィオ