富士重工業は1992年3月、3代目「スバル・レックス」の後継モデルとなる新型軽自動車「スバル・ヴィヴィオ」を発売しました。プラットフォームの刷新や低重心設計により優れた操縦安定性を実現した他、居住性の面では運転席優先のドライバーズカーとして設計された事が特徴でした。又、途中からレトロ調の外観を備える「ビストロ」を追加、レトロモデルブームの先鞭を付けました。
衝突安全性を強化
レックス同様5ナンバーのセダンと4ナンバーのバンが用意され、ボディタイプは前者に3ドア/5ドアハッチバックが、後者に3ドアハッチバックが設定されました。スタイリングは、直線基調のレックスから一転し丸みを帯びたフォルムに変貌しました。又、ボディ剛性や衝突安全性の強化が図られた点も特徴でした。
ボディサイズは全長3,295mm×全幅1,395mm×全高1,375mm、ホイールベース2,310mmで、レックスよりも全高が低くホイールベースの長いディメンションとなりました。サスペンションは伝統の4輪独立懸架を踏襲しつつ形式が変更され、フロントはI型ロアアーム式ストラットからL型ロアアーム式ストラットに、リアはストラット式又はセミトレーリングアーム式からデュアルリンクストラット式になりました。
スバル ヴィヴィオのCM (1992)
エンジンは4種類の仕様を用意
駆動方式は、レックス同様FFとパートタイム及びフルタイム方式の4WDが設定されました。エンジンはレックス同様660cc直4のEN07型で、トランスミッションも同様に5速MTとECVT(CVT)が設定されました。エンジンの仕様は、SOHCキャブレター、SOHC EMPi(電子燃料噴射)、SOHC MSC(メカニカルスーパーチャージャー)、DOHC MSCの4種類が用意されました。
最高出力/最大トルクは、キャブレター仕様が42ps/5.3kgm、EMPi仕様MT車が52ps/5.5kgm、同ECVT車が48ps/5.6kgm、SOHC MSC仕様が64ps/8.6kgm、DOHC MSC仕様が64ps/9kgmでした。発売時のグレードは全10タイプで、トップグレードはDOHC MSCエンジン搭載の「RX-R」でした。そして1993年5月に、スバル40周年記念特別仕様車としてタルガトップ風ボディを持つ「Tトップ」が追加されました。
続いて同年9月に最初のマイナーチェンジが実施され、エアコンに新冷媒が採用されました。次いで翌1994年の2度目のマイナーチェンジでエクステリアの一部変更などが実施され、1995年10月の3度目のマイナーチェンジでは3ドアハッチバックのリアサイドウィンドウが固定式に変更されました。
次いで翌11月に、丸型ヘッドランプとメッキグリル、木目調オーディオパネルなどが備わる「ビストロ」が追加されました。続いて1996年10月、4度目のマイナーチェンジによりNA車のフェイスリフトなどが実施されました。追って翌1997年1月、NAエンジン車のみだったビストロにSOHC MSCエンジン搭載の「ビストロ・スポーツ」が追加されました。
そして1998年10月、後継モデル「プレオ」の発売に伴い全車販売終了となりました。
ヴィヴィオ (1995)の口コミ評価:新車購入インプレッション
スバルのヴィヴィオに乗っていました。1995年のE-KK3でした。色はブラックで、なかなか出回らない色でした。どうしても黒が欲しく、メーカーの方で探してもらいました。地方でしたので、東京の方から取り寄せることになりました。来るまで時間がかかりましたし、他のランクよりも高かったですが、余計にその車が好きになりました。
他の人があまり乗っていないからこそ、大事に乗ろうと思いました。その購入店はディーラーからでした。新車で購入し、購入してみてとても乗りやすいのがよかったです。
色々な軽自動車に試乗しましたが、自分の手にしっくりくるのがヴィヴィオでした。ハンドルの形と太さもいいですし、小回り具合もよかったです。タイヤの安定感もありますし、重心も安定していました。軽自動車は横に流れがちになりますが、このヴィヴィオはそんなことがありません。
傾斜のきつい峠の道もなんなく走り抜けますし、起伏の激しい道に合わせて足がしなるのもよかったです。操作はハンドルのみという感じで、簡単に乗れるオートマでよかったです。
エンジン音が少し大きめですが、セダンにも負けないほどのしっかりとした造りで、故障することがなかったのも魅力的でした。10万キロ乗るまでほとんど故障がなく、スイスイと乗れました。
スポーツカー並の走り
ヴィヴィオで走る高速道路は最高でした。安全性の高いスバルのヴィヴィオなら、100キロ近いスピードを出してもスイスイと走ります。スポーツカー並の走りを楽しめて、最高でした。
長距離でも颯爽に走るので、富士山の景色を見に、あの坂の多い山梨県の道路を何度も走りました。それでもエンジンが悲鳴をあげることもなく、楽しく走っては色々な場所に行くことが出来ました。四輪駆動を選んだので、そこも便利なところでした。馬力が高いので、石に乗り上げても自力で乗り越えることができました。
先代モデル:3代目レックス