トヨタの3ドアクーペ「スープラ」の初代モデルは、「セリカ」の上級車種として販売されていた「セリカXX」の後継モデルとして、1986年2月に発売が開始されました。テールゲートを備えるファーストバックボディやFR方式などをセリカXXから踏襲しながらも、更に優れた走行性能を追求し、国産車を代表するハイパフォーマンスカーの1台となりました。
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リトラクタブルヘッドランプを踏襲
スタイリングは、A60型セリカXX同様リトラクタブルヘッドランプを採用した事もあり、基本的なプロポーションは類似性の感じられるものとなりました。しかし、太いBピラーの採用などにより、新鮮味も演出されていました。又、セリカXXと同じく不十分なスペースながらも3人用の後席が設けられ、乗車定員5人が踏襲されました。
ボディサイズは全長4,620mm×全幅1,690mm×全高1,300mmで、セリカXXとほぼ同等のディメンションでした。ホイールベースは20mm短い2,595mmで、車両重量は大幅に増加し1,340kg~1,520kgとなりました。プラットフォームはハイソカー「ソアラ」と共用で、サスペンションはセリカXXから一新され、4輪ダブルウィッシュボーン式となりました。
エンジンは直6が4種類
エンジンは2L SOHC NAの1G-EU型(最高出力105ps/5,200rpm、最大トルク16kgm/4,000rpm)、2L DOHC NAの1G-GEU型(最高出力140ps/6,400rpm、最大トルク16.5kgm/4,600rpm)、2L DOHCツインターボの1G-GTEU型(最高出力185ps/6,200rpm、最大トルク24.5kgm/3.200rpm)、3L DOHCターボの7M-GTEU型(最高出力230ps/5,600rpm、最大トルク33kgm/4,000rpm)の4種類の直6が設定されました。
駆動方式はFRで、トランスミッションは5速MTと4速トルコン式ATが設定されました(3L車はATのみ)。ブレーキは前:ベンチレーテッドディスク/後:ディスクが基本で、上級グレードは後にもベンチレーテッドディスクを装備しました。インテリア面では、大型パノラミックデジタルメーターや8ウェイパワーシートなどのハイグレードな装備が奢られました。
トヨタ スープラのCM
ボディのバリエーションを拡大し、M/Cでエンジンがパワーアップ
同年6月、着脱式ルーフを備える「エアロトップ」が追加されました。次いで翌1987年1月に3L車にもMTが設定された他、ブリスターフェンダーの採用により全幅を55mmワイド化した新グレード「3.0GTリミテッド」が追加されました。翌1988年8月にマイナーチェンジを実施し、フェリスリフトと行うと共に3L車はワイドボディのみとなりました。
同時に1G-EU型エンジンがDOHCの1G-FE型に置換され、他のエンジンはプレミアムガソリン仕様に変更されました。スペックは、1G-FE型が最高出力135ps/5,600rpm、最大トルク16kgm/4,000rpm、1G-GEU型が最高出力150ps/6,400rpm、最大トルク18.6kgm/5,600rpm、1G-GTEU型が最高出力210ps/6,200rpm、最大トルク28kgm/3,800rpm、7M-GTEU型が最高出力240ps/5,600rpm、最大トルク35kgm/3,200rpmとなりました。