2003年に創業したアメリカの新興電気自動車メーカー「テスラモーターズ」は、2006年に同社の第一弾となる2シーターEVスポーツカー「テスラ・ロードスター」のプロトタイプを発表、2008年3月に量販モデルのリリースが開始されました。ロータス社の協力の元で開発され、ガソリンエンジン搭載のスーパーカーに匹敵する加速性能とEVとしては長い航続距離が特徴でした。
エリーゼに類似したスタイリング
カーボンファイバー製のボディは着脱式のソフトトップが備わる2ドア・ロードスターで、ロータスのライトウエイトスポーツカー「エリーゼ」に類似したスタイリングを持っていました。ボディ・ディメンションは全長3,940mm×全幅1,722mm×全高1,126mm、ホイールベース2,350mmで、エリーゼとの比較すると全長が140mm、ホイールベースが50mm長いディメンションでした。
車両重量は1,235kgで、450kgに達するバッテリーを搭載するためエリーゼより300kg以上重い数値となっていました。サスペンション形式はエリーゼ同様の4輪ダブルウィッシュボーン式で、駆動方式も同様にMRとなっていました。また、ブレーキはABS付の4輪ベンチレーテッド・ディスク式が装備されました。
スペックの異なる2種類のグレードを設定
動力源であるACモーターのアウトプットは、機械巻きのコイルが備わる標準モデルが最高出力292ps/5,000-6,000rpm・最大トルク37.7kgm/0-5,400rpm、手巻きのコイルが備わる「スポーツ」が最高出力292ps/4,400-6,000rpm・最大トルク40.8gm/0-5,100rpmでした。トランスミッションは、量販モデルにはボルグワーナー製の単速式が組み合わせられました。
バッテリーはノートパソコン用の汎用型リチウムイオン電池が6831個装備され、総容量は53kWhでした。パフォーマンスは、最高速度が標準モデル/スポーツともに201km/h(リミッター作動)、0-60mph加速タイムが前者は3.9s、後者は3.7sでした。また、一充電あたりの航続距離は両モデルともに394kmに達しました。
充電は120~240Vの電源に対応し、2010年に正規輸入が開始された日本仕様の場合、100V/200Vの一般商用電源ならびに200Vの専用急速充電器の使用が可能でした。専用急速充電器を使用した場合は、3.5時間で満充電にすることが可能でした。インテリアは、スピード&タコメーターとパワーメーターが備わる丸型2眼式メーターと、プッシュボタン式のシフトセレクターが備わっていました。
その後2012年1月にマイナーチェンジが実施され、モーターやインバーターの性能向上が図られたほか、キセノンヘッドランプやリアスノーカバーが装備されました。そして同年6月に同社のEV第二弾となる4ドアセダン「モデルS」が発売され、ロードスターは生産終了となりました。