トヨタの3ドアクーペ「スープラ」は、1993年5月に7年ぶりとなるフルモデルチェンジを実施し、2代目になりました。「THE SPORTS OF TOYOTA」をキャッチフレーズに掲げ、エンジンの排気量拡大や足回りの改良などにより先代以上に高い走行性能を追求したモデルになりました。それにより、国産高性能スポーツカーの代名詞として不動の評価を獲得しました。
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ボディは流麗かつワイド&ローなプロポーションに変貌
スタイリングは、先代の直線的でシャープなプロポーションから一転し曲線的で流麗なプロポーションに変貌した他、リトラクタブルヘッドランプを廃止した事や特徴的だった太いBピラーがごく細くなるなどの変更により、イメージを大きく変えました。乗車定員は先代の5人から4人に変更され、前席優先の本格スポーツカーとしての性格がより明確になりました。
又、先代同様に着脱式ルーフの「エアロトップ」も設定されました。ボディサイズは全長4,520mm×全幅1,810mm×全高1,275mmで、先代よりも全長が100mm短縮され全高も25mm下げられた一方で、全幅は先代のワイドボディから更に65mm拡大されました。ホイールベースは45mm短縮され2,550mmとなり、車両重量は後述するパワートレインの変更もあってやや増加し、1,410kg~1,570kgとなりました。
エンジンを一新し全車3Lに
サスペンション形式は先代同様の4輪ダブルウィッシュボーン式が踏襲され、ブレーキは全車に4輪ベンチレーテッドディスク式が採用されました。エンジンは一新され、3L直6DOHC NA及び同ツインターボの2種類となりました。スペックはNAの2JZ-GE型が最高出力225ps/6,000rpm、最大トルク29kgm/4,800rpm、ターボの2JZ-GTE型が最高出力280ps/5,600rpm、最大トルク44kgm/3,600rpmでした。
駆動方式は先代同様FRで、トランスミッションは5速MTと4速トルコン式ATの他、ターボ車にはゲトラグ製6速MTが設定されました。インテリアは、インパネがドライバーを囲むようなデザインになった他、メーターがデジタル式からオーソドックスな丸型アナログ3連式に変更されました。グレード体系は、ターボ車が上から「GZ」「RZ」、NA車が「SZ」の計3種類が設定されました。
トヨタ スープラのCM (1993)
M/Cで走行性能や安全性能をアップ
翌1994年8月にマイナーチェンジを実施し、NA車にビルシュタイン製ショックアブソーバーやトルセン式LSD、横Gセンサー付ABSなどを採用した新グレード「SZ-R」が追加されると共に、ターボ車に17インチタイヤや大径ブレーキがオプション設定されました。次いで1995年5月に、ターボ車に専用のステアリングやカーオーディオを備える新グレード「RZ-S」が追加され、ターボ車の「エアロトップ」仕様が廃止されました。
翌1996年4月に2度目のマイナーチェンジを実施し、全車にABSとSRSデュアルエアバッグシステムが標準装備になった他、「SZ-R」のMTがゲトラグ製6速に変更され、最上級グレード「GZ」は廃止されました。翌1997年8月に最後のマイナーチェンジを実施し、2JZ-GTE型エンジンがVVT-i化され最大トルクが46kgm/3,600rpmに向上した他、「RZ」と「SZ-R」に相互連携ショックアブソーバーシステム「REAS」が採用されました。
2代目スープラは、発売当初はバブル景気に後押しされ販売面で好調なスタートを切ったものの、その後のバブル崩壊によりスポーツカー市場が縮小した為、販売台数は年々減少していきました。そして2002年8月、平成12年排出ガス規制をクリアする事が困難であった為生産を終了し、スープラの車名はラインナップから消えました。