トヨタは、米国東部時間1月14日、米国ミシガン州デトロイト市で開催中の北米国際自動車ショー(デトロイトモーターショー)において、新型スープラを世界初披露した。日本での発売は2019年春頃の予定となっている。
新型スープラは、TOYOTA GAZOO Racingが展開するスポーツカーシリーズ「GR」初のグローバルモデルとなる。これまでの取り組みでTOYOTA GAZOO Racingが蓄積してきた知見やノウハウを注ぎ、『GR Supra』として新たに誕生した。
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トヨタ自動車 豊田章男社長コメント
「ニュルブルクリンクでの運転訓練で長い時間を一緒に過ごしたスープラは、自分にとって『特別な旧友』のような存在です。当時、ニュルブルクリンクで他のメーカーが発売前のプロトタイプカーを走らせている中、私たちは、既に生産を終了した古いスープラでしか走ることができず、とても悔しい想いをいたしました。スープラ復活を待ち望んでいたのは世界中の多くのファンだけでなく、私も『スープラを復活させたい』という想いを密かに持ち続けていました。新型GRスープラは、ニュルブルクリンクで鍛えられ、生まれたクルマです。走る楽しさ以上の経験を提供できるクルマになったと、自信を持ってお伝えします」
新型スープラは5代目にあたり、2002年に生産終了してから17年ぶりの復活となります。初代スープラが1978年に誕生して以降、どの世代でも直列6気筒エンジンを積んだFR車であったことは共通しており、新型でもこの2つを継承しました。加えて今回、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3つの基本要素にこだわり、ピュアスポーツカーにふさわしいハンドリング性能を実現しました。
チーフエンジニア 多田哲哉氏のコメント
開発を担当したチーフエンジニアの多田哲哉は「走る楽しさを極めたピュアスポーツカーを追求しました。馬力やサーキットのラップタイムのような数値だけを追い求めるのではなく、いかにドライバーが車両と一体となって運転する楽しさを感じられるか、という感性性能を重視しています」
スープラの主な特徴
パッケージング:ピュアスポーツカーとしての基本素性を追求
- 卓越したハンドリングや安定したコーナリング姿勢を実現するため、「ホイールベース」「トレッド」「重心高」の3要素を最重要ファクターと捉え、ピュアスポーツカーとしての理想を追求。
- ホイールベースは、2シーターに割り切ることで86よりも100mm短い2,470mmを実現。ホイールベースとトレッドの比は1.55という、他の量産スポーツカーと比較してもトップレベルの小さい数値を達成、優れた回頭性に寄与。
- 重心高にも徹底的にこだわり、水平対向エンジンを搭載した86よりもさらに低い重心高を実現。
- 前後重量バランスについても、50:50の配分を達成。
デザイン:スポーツカーとしてのパッケージ・レイアウト
デザインコンセプトは「Condensed Extreme L6 FR “TOYOTA” Sports」
外装
- ショートホイールベースと大径タイヤによりタイヤの存在を強調するサイドビュー
- 2シーターらしいタイトなキャビンと、ワイドトレッドからなるスーパーワイドスタンス
- 直6 FR ロングノーズショートキャビンシルエット
室内
- 上下に薄いインパネと高く幅の広いコンソールによる、典型的なFRスポーツカー空間
- シフトバイワイヤ式のシフトレバー、8.8インチTFTメーター、大型フルカラーヘッドアップディスプレイによる、運転席中心でタイトな新世代コクピットレイアウト
ボディ:高次元の走りを実現する高剛性ボディ
アルミニウムと鉄を用いた骨格構造と、異なる素材同士の接合強度を追求し、86に対し約2.5倍のボディ剛性を実現。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)キャビンを採用したレクサスLFAをも上回っている。
エンジン:3.0L直6ターボと2.0L直4ターボの2種類
- 歴代スープラに採用されてきた直列6気筒エンジンの伝統を継承し、直6 3.0Lツインスクロールターボエンジンを搭載。最大トルク500N・mを、エンジン回転数1,600rpmという低回転で発生。
- 直列4気筒エンジンは、チューニングの異なる2つの2.0Lツインスクロールターボエンジンを設定。最高出力190kW(258PS)というハイパフォーマンスを実現、軽快なスポーツ走行を楽しめるエンジンと、145kW(197PS)を発揮。
精密な車両コントロールを可能にするサスペンション
- バネ下重量の低減、高い組み付け剛性、精緻な動きを追求して新設計されたサスペンションを搭載。(フロント : ダブルジョイントスプリングストラット式、リヤ : マルチリンク式)
- 一部グレードにアダプティブバリアブルサスペンションシステムを搭載し、選択中のドライブモードや路面状況に応じて4輪のショックアブソーバー減衰力を最適に制御することで、走りと乗り心地を高次元で両立。
旋回性能と安定性を高めるアクティブディファレンシャル
- VSC(車両安定性制御システム)と連携しながら、電子制御多板クラッチによって後輪左右間のロック率を0~100の範囲で無段階に最適制御。
- コーナー進入時は旋回性能と安定性を高くバランスさせたロック率を選択し、アクセルを踏み込んでコーナーを脱出する際は、ロック率を高め最大限のトラクション性能を発揮。