レクサスのミディアムセダン「HS」は、2009年7月に同ブランド初のハイブリッド専用車として発売されました。遅れて発売されたトヨタブランドの「SAI」とは、プラットフォームやパワートレインを共有する姉妹車種の関係になるものの、それよりもプレミアムな味付けがされている点が特徴になります。又、前期型と後期型ではフロントマスクのイメージが全く異なるものとなっています。
SAIより大きく重量のあるボディ
スタイリングはSAIに類似したプロポーションと同一のCd値(0.27)を持ち、初期型のフロントマスクはSAIと大きくは異ならない大人しいものでした。ボディサイズは全長4,700mm×全幅1,785mm×全高1,505mmでSAIより僅かに大きく、車両重量は50kg以上重い1,640kgとなっています。プラットフォームがSAIと共通である為、2,700mmのホイールベースや前:ストラット式/後:ダブルウィッシュボーン式のサスペンションも同一となります。
駆動方式は国内向けレクサス車として初となるFFで、ハイブリッドユニットはSAIと共通の2.4L直4アトキンソンサイクルエンジン(最高出力150ps/最大トルク19.1kgm)+交流同期型モーター(最高出力143ps/最大トルク27.5kgm)による「リダクション機構付THS-Ⅱ」を搭載し、システム最高出力はSAIと同一の190psとなります。JC08モード燃費も同じく19.8km/Lで、レクサスの車種の中で最も燃費の優れたモデルでした。
インテリアは、基本的なデザインはSAIに類似するものの細部は異なり、よりプレミアム感のあるものとなっています。グレード体系はベースグレードの他に、18インチアルミホイールや専用サスペンションを装備する「バージョンS」、上質な内装が備わる「バージョンI」、ミリ波レーダー方式の衝突被害軽減ブレーキ「プリクラッシュセーフティシステム」などが備わる「バージョンL」の4グレードが設定されます。
改良により燃費や操縦安定性が向上
そして、2011年1月に一部改良を実施し、足回りの改良により操縦安定性と乗り心地の改善が図られた他、新たに歩行者に注意を促す為の「車両接近警報装置」が標準装備されました。次いで2013年1月にマイナーチェンジを実施し、フロントマスクが「GS」などに採用されている「スピンドルグリル」に変更されると共に、全長が10mm延長され全高が10mm下げられました。
同時に、ハイブリッド制御の変更により燃費が20.6km/Lに向上した他、ボディ剛性のアップやパフォーマンスダンパーの採用により、操縦安定性と乗り心地の改善が図られました。その他、吸遮音材の追加による静粛性の向上や、ドライブモードセレクトに「SPORT MORD」を追加、新グレード「バージョンC」と「バージョンI」「バージョンL」に高濃度タイプのプラズマクラスターが搭載されるなど、数々の仕様変更が行われました。