トヨタ自動車がレクサスブランドで開発したスーパーカー「LFA」は、まず最初のプロトタイプ「LF-A」が2005年1月に開催されたデトロイトモーターショーに出展され、その後仕様変更を経て、2009年10月に開催された東京モーターショーで市販バージョンが初公開されました。そして2010年12月、トヨタ車史上最速かつ国産車史上最も高価な車種として、全世界500台限定で販売が開始されました。
軽量ボディに高性能かつ官能的なエンジンを搭載
ボディはワイド&ローなプロポーションを持つ2ドアクーペで、素材には軽量化の為カーボンとアルミニウムが用いられました。ボディサイズは全長4,505mm×全幅1,895mm×全高1,220mm、ホイールベースは2,605mmで、「フェラーリ・458イタリア」に近いディメンションでした。車両重量は、装備を簡略化した軽量仕様で1,480kg、市販バージョンとなる標準仕様で1,580kgでした。
エンジンはLFA用に新開発された4.8L V10 NAの1LR-GUE型で、最高出力560ps/8,700rpm、最大トルク48.9kgm/7,000rpmのアウトプットを絞り出すと共に、レスポンスの鋭さや高回転域の伸びの良さ、「天使の咆哮」と比喩されるエキゾーストノートなど、官能的なフィーリングを備える事が特徴でした。トランスミッションはDCTではなく、シングルクラッチ式のAGS(AMT)を採用しながらも、最短で0.2秒のシフトスピードを実現しました。
ハンドリング・動力性能ともトップレベル
駆動方式はFRで、優れたハンドリングを実現する為フロントミッドシップ方式とトランスアクスルレイアウトを採用し、前後重量配分は後輪駆動車として理想に近い48:52を実現しました。サスペンションは前:ダブルウィッシュボーン式/後:マルチリンク式で、ディスクブレーキには軽量なCCM(カーボンセラミックメタル)が採用されました。又、ホイールはBBS製の20インチ専用鋳造アルミホイールが奢られました。
インテリアは、カラーTFTによる移動式コンビネーションメーターを採用した事が最大の特徴でした。パフォーマンスは最高速度325km/h、0-100km/h加速3.7sで、加速性能は「日産・GT-R」に一歩を譲るものの、最高速度では凌ぎ国産車最速となりました。又、3,750万円という価格は「GT-R スペックV」の1,575万円の2倍以上で、国産車としては飛び抜けて高価な設定となっていました。
そして2011年11月に開催された東京モーターショーで、サーキット走行を主眼に置いた「LFA Nurburgring Package」が出展されました。エンジンの出力が571psまでパワーアップされた他、カーボン製のフロントスポイラーやテールウイング、専用サスペンションや専用タイヤ&ホイールを装備し走行性能を更に高めた事が特徴で、翌2012年に生産が開始されました。そして2012年12月、最後の500台目が出荷され生産終了となりました。