トヨタ自動車は2008年10月のパリ・サロンにおいて、2005年にリリースしたレクサス・ブランドのDセグメントセダン、2代目「IS」をベースとした2ドア4シーター仕様のクーペカブリオレ「IS C」を発表、翌2009年に販売を開始しました。同ブランドのこのカテゴリーとしては2001年発売の2代目「SC」に次ぐ第2弾で、同様にアルミ合金製の電動バリアブルルーフを備えていました。
専用のボディパネルを採用
スタイリングは、セダンに類似したフロントマスクを持つものの、ボディパネルの大半が専用デザインとなっていました。空力性能は若干低下し、Cd値はセダンの0.27に対し0.29となっていました。ボディサイズは、全長4,625mm×全幅1,795mm×全高1,415mmで、セダンに対し50mm長く15mm低いディメンションでした。
一方、2,730mmのホイールベースはセダンと同一した。駆動方式はFRのみの設定で、セダンには設定のあったフルタイム4WDは最後まで用意されませんでした。エンジンは、2.5L V6の4GR-FSE型(最高出力215ps/最大トルク26.5kgm)、3L V6の3GR-FE型(最高出力230ps/最大トルク30.6kgm)、3.5L V6の2GR-FSE型(最高出力318ps/最大トルク38.7kgm)の3種類が用意されました。
トランミッションは6速トルコン式ATの他、2.5L車には6速MTも設定されました。2009年5月に発売された日本仕様車には、当初これらの内2.5Lエンジン+6速ATの組み合わせのみが用意されました。サスペンション形式は、セダン同様のフロント:ダブルウィッシュボーン式/リア:マルチリンク式を踏襲するものの、リアは取り付け位置やセッティングが異なっていました。
装備面では、後席へのアクセスを容易にする為、スイッチ操作によりフロントシートが自動的にスライド&前傾する「ワンタッチパワーウォークインシート」が採用されました。国内仕様のグレード体系は、当初標準グレード「IS250C」とレザーシートなどが備わる上級グレード「IS250CバージョンL」の2タイプが設定されました。
M/Cに伴い3.5L車を追加
その後の国内仕様車の展開は、まず翌2010年8月のマイナーチェンジで内外装が一部変更されると共に、全ウィンドウを一括開閉出来るスイッチが新設されました。同時に、3.5Lエンジン+6速AT搭載の「IS350C」が追加されました。次いで2012年8月、IS250C/350Cをベースに、専用の内外装や足回りを奢ったスポーティグレード「Fスポーツ」が追加されました。
続いて2013年5月にセダンがフルモデルチェンジを受け3代目モデルに移行したものの、IS Cはそのまま販売を継続、同年8月には一部改良が実施され、カーナビと連動して高速道路上などに設置されるITS(高度道路交通システム)スポットと相互通信を行う、「ITSスポット対応DSRCユニット」が標準装備されました。そして2014年5月、国内販売が終了となりました。