フォード・モーターは2012年、小型クロスオーバーSUV「エコスポーツ」に誕生9年目にして初のフルモデルチェンジを実施し、現行2代目モデルに移行させました。コンパクトカーの4代目「フィエスタ」をベースにブラジルの開発センターで設計されたモデルで、先代が南米市場専用車であったのに対し、それ以外の地域でも販売されるグローバルカーとなりました。
SUVとしては優れた空力特性を実現
5ドアボディのスタイリングは、フェイエスタや「フォーカス」などのデザインテイストが投入され、ボクシーな先代から大きく変貌しました。同時に、スペアタイヤを背負いSUVらしいムードを醸しながらも、Cd値0.371の空力特性を実現した事も特徴でした。ボディサイズは全長4,273mm×全幅1,765mm×全高1,648mmで、フィエスタよりも一回り大きいディメンションでした。
又、ホイールベースは2,591mmで、フィエスタから若干延長されていました。その他、180mmの最低地上高や25°のアプローチアングル及び35°のデパーチャーアングルを確保するなど、オフロードの走破性にも配慮が行われました。一方、駆動方式はFFのみの設定で、先代の一部モデルに設定のあった4WDは用意されませんでした。
エンジンは3種類
エンジンは、1L直3ターボ(最高出力125ps/最大トルク17.3kgm)及び1.5L直4NA(最高出力112ps/最大トルク14.3kgm)のガソリンと、1.5L直4ディーゼルターボ(最高出力90ps/最大トルク20.9kgm)が用意されました。トランスミッションは5速MTの他、1.5Lガソリンには「パワーシフト」と呼ばれる6速DCTが設定されました。
サスペンション形式は、フィエスタと共通のフロント:マクファーソンストラット式/リア:ツイストビーム・トレーリングアーム式で、ブレーキはフロント:ベンチレーテッド・ディスク式/リア:ドラム式が採用されました。一方室内は、曲線基調のモダンなインパネが採用されると共に、20箇所に及ぶ収納スペースが設けられるなど使い勝手にも配慮が行われました。
日本仕様はモノグレード
日本市場には、2014年5月から1.5Lエンジン+6速DCTを搭載する「タイタニアム」の導入が開始されました。装備面では、SRS7エアバッグシステムやEBD&ブレーキアシスト付ABS、横滑り防止装置「EBD」、トラクションコントロールなどの安全装備に加え、クルーズコントロールやヒルスタートアシストが標準装備されました。
その他、エクステリア面では前後のフォグランプや16インチアルミホイールが、インテリア面ではBluetooth対応の携帯電話との連携が可能な「SYNC」が採用されました。その後2015年1月に、専用ボディカラーのブライトイエローを採用すると共にレザーシートが備わる70台限定の特別仕様車「ブライトイエロー」が設定されました。
2016年にフォードの日本市場撤退に伴い、エコスポーツは2016年に日本での販売終了となりました。