トヨタのSUV「FJクルーザー」は、往年の40系「ランドクルーザー」をモチーフにした個性派モデルとして2006年に北米市場に投入され、2010年12月から日本国内でも販売が開始されました。生産は日本国内の工場で行われ、国内向けは右ハンドル仕様となります。パイクカー的な内外装を持ちながらも、悪路走破性を追求した本格的なクロスカントリーモデルに仕立てられているのが特徴となります。
観音開き式ドアが特徴
スタリングは、丸型2灯式ヘッドランプ採用のフロントグリルや角度の立ったフロントウィンドウなど、古典的なテイストが備わるのが特徴となっています。又、一見3ドア風に見えながら観音開き式ドアを採用した5ドア仕様となる点や、ポップなボディカラーの設定も独自の個性となります。ベースとなるのは20系「ランドクルーザープラド」で、本格的なラダーフレームシャシーも踏襲されます。
ボディサイズは全長4,670mm×全幅1,905mm×全高1,840mmで、20系プラドよりも短く広く低いディメンションを持ち、ホイールベースは100mm短い2,690mmに設定されています。車両重量は1,940kgで、同一仕様のプラドよりも100kg近く軽量に抑えられています。サスペンションは前:ダブルウィッシュボーン式/後:4リンク式で、駆動方式は輸出仕様にはパートタイム4WDの他FFも設定されるものの、国内仕様は前者のみとなります。
エンジンはプラド譲りの1種類のみ
搭載されるエンジンはプラドにも設定される4L V6の1GR-FE型で、スペックは現行型150系プラドと同一の最高出力276ps/最大トルク38.8kgmとなります。トランスミッションは輸出仕様には6速MTも用意されるものの、国内仕様は5速トルコン式ATのみが設定されます。又、パートタイム4WD方式ならでの装備として、駆動システムを3段階に切り替えられるトランスファーレバーが備わります。
インテリア面では、ボディ同色のセンタークラスターが備わる水平基調のインパネを採用した点が特徴となります。発売当初のグレード体系は、ベースグレードの他、ボディ同色のドアトリムなどが備わる「カラーパッケージ」と、リアデフロックやビルシュタイン製ショックアブソーバーが備わる「オフロードパッケージ」の全3種類でスタートしました。
そして2011年11月に、ブラック&ホワイトのツートンボディカラーを採用すると共に、エクステリアの随所にブラックの加飾を施した「ブラックカラーパッケージ」と、レッドのボディカラーを採用すると共に、シートやステアリングホイールにブラック&レッドのツートンカラーを採用した「レッドカラーパッケージ」の2つの新グレードが追加設定されました。
次いで2012年7月に一部改良を実施し、ボディカラーが変更されると共に「レッドカラーパッケージ」が廃止されました。同時に、「オフロードパッケージ」に急な下り坂でブレーキ操作なしに一定の低速を維持出来る「クロールコントロール」が標準装備されました。続いて2013年7月の一部改良で、ボディカラーに新色が追加された他、「ブラックカラーパッケージ」を除きアルミホイールのデザインが変更されました。
そして2014年7月の一部改良の際には、2012年に一旦カタログ落ちしたボディカラー「ツートーンイエロー」が復活した他、メーターのデザインが変更されました。