トヨタ自動車は2000年11月に、ビスタ店より初代「ハリアー」の姉妹車種となる新型クロスオーバーSUV「クルーガーV」を発売しました。ハリアーとプラットフォームやパワートレインを共有する一方ボディは別設計で、ラグジュアリーかつ乗用車志向のハリアーに対しアウトドア志向のテイストを持ち味としました。
ボクシーなスタイリングを採用
スタイリングは、流麗かつ都会的なハリアーに対しボクシーかつ無骨なイメージで纏められていました。ボディサイズは全長4,685~4,690mm×全幅1,825mm×全高1,685~1,720mmでハリアーよりも一回り大きく、ホイールベースは100mm長い2,715mmに設定されていました。乗車定員は当初2列シート5人乗り仕様のみの設定で、車両重量は初期型で1,550~1,770kgでした。
サスペション形式はハリアーと同一の4輪ストラット式で、駆動方式も同様にFFとフルタイム4WDが設定されました。パワートレインは当初純ガソリンエンジンのみの設定で、2.4L直4DOHCの2AZ-FE型(最高出力160ps/最大トルク22.5kgm)と3L V6DOHCの1MZ-FE型(最高出力220ps/最大トルク31kgm)が用意され、トランスミッションは共に4速トルコン式ATが組み合わせられました。
安全装備面では、全車にSRSデュアルエアバッグシステムやEBD付きABS、ブレーキアシストなどが標準装備されました。グレード体系は「クルーガーV」「クルーガーV3.0」の2タイプを基本に、スポーツサスペンションや17インチアルミホイールなどが装備される「Sパッケージ」と、パワーシートや16インチアルミホイールなどが装備される「Gパッケージ」が設定されました。
そして2003年8月のマイナーチェンジで、内外装の変更と共に全車にエンジンイモビライザーシステムが標準装備されました。又、格納式のサードシートが備わる7人乗り仕様車が追加された他、3L車のATが5速化されました。グレード体系も変更され「2.4S」「3.0S」の2タイプが基本となった他、装備を簡略化した「Xパッケージ」が追加されSパッケージは廃止されました。
トヨタ クルーガーのCM
ハイブリッドを追加
それと同時に、カローラ店よりバッジエンジニアリングモデルの「クルーガーL」が発売されました。次いで2005年3月に、スプリット式ハイブリッドシステム「THS-Ⅱ」と電気式4WDシステム「E-Four」を採用した「クルーガーハイブリッド」が追加されました。システムの詳細は、3.3L V6DOHCエンジン(最高出力220ps/最大トルク31kgm)とモーターで前輪を、もう一基のモーターで後輪を駆動するものでした。
10.15モード燃費はガソリンモデルの9~11km/Lに対し17.8km/Lと大幅に勝り、グレードはベースグレードとGパッケージが設定されました。そして同年11月にビスタ店でのV/ハイブリッドの扱いを終了、2007年4月にはフルモデルチェンジを機にカローラ店での販売も終了となりました。2代目モデルは海外専用車種となり、国内向けは「ヴァンガード」が実質的な後継モデルとなりました。