トヨタ自動車は1999年8月、「ターセル/コルサ」の後継モデルとして、一足先にデビューしたハッチバック車「ヴィッツ」をベースにトランクルームを追加した小型3ボックス型4ドアセダン「プラッツ」を発売しました。プラットフォームやパワートレインなど基本コンポーネンツをヴィッツと共有しつつも、セダンならではの個性を持つモデルとなりました。
スタイリングはヴィッツのイメージを踏襲
スタイリングは、ヴィッツとはフロントマスクの意匠は異なるものの、後方にかけて跳ね上がったベルトラインなど基本的なイメージが受け継がれました。初期型のボディサイズは全長4,145mm×全幅1,660mm×全高1,500~1,510mmで、ヴィッツから全長が500mm以上延長された一方、ホイールベースは同一の2,370mmであった為リア・オーバーハングが長いデザインとなりました。
車両重量は初期型で850~1,000kgで、ヴィッツからの重量増加は10~40kg程度に抑えられていました。駆動方式はヴィッツ同様FFとフルタイム4WDが設定され、サスペション形式も同様にフロント:マクファーソンストラット式/リア:トーションビーム式(FF)・トレーリングリンク車軸式(4WD)が踏襲されました。
エンジンは3種類
エンジンは、ヴィッツと共通の1L直4DOHCの1NZ-FE型(最高出力70ps/最大トルク9.7kgm)と1.3L直4DOHCの2NZ-FE型(最高出力88ps/最大トルク12.3kgm)に加え、当初のヴィッツには設定のなかった1.5L直4DOHCの1NZ-FE型(最高出力110ps/最大トルク14.6kgm)が用意されました。トランスミッションは、それぞれに5速MTと4速トルコン式ATが設定されました。
又、1.3Lが全車フルタイム4WDで、1L/1.5Lが全車FFでした。室内はヴィッツ同様のデザインを持つセンターメーター方式のインパネが採用され、安全装備面では全車にSRSデュアルエアバッグシステムやABS、ブレーキアシスト、フォースリミッター&プリテンショナー付きシートベルトが採用されました。
環境性能が向上
グレード体系は、下から「1.0F」「1.3F」「1.3X」「1.5F」「1.5X」の5タイプが基本で、更に1.0Fに装備を簡略化した「Eパッケージ」が、1.0F/1.3Fに豪華装備の「Lパッケージ」が、1.5Xにスポーティな「Sパッケージ」が設定されました。そして2000年8月の一部改良で、全車「平成12年度基準排出ガス25%低減レベル」を取得しました。
同時に、1.0F/1.3F/1.5Xにメッキフロントグリルなどが装着される「プレミアムバージョン」が追加されました。追って同年12月の一部改良でABSが全車EBD付きにアップグレードされ、翌2001年8月に実施された一部改良では全車にワイヤレスリモコンドアロックが標準装備されました。更に同年12月にも一部改良が実施され、1L車が「平成12年度基準排出ガス75%低減レベル」を取得しました。
次いで2002年8月にマイナーチェンジが実施され、内外装の意匠変更や装備の充実化と共に、1.3L/1.5L車も平成12年度基準排出ガス75%低減レベルを取得しました。続いて2003年8月の一部改良で一部グレードの装備の充実化が図られた他、1.5X Sパッケージが廃止されました。次いで2004年3月の一部改良で、全車「平成17年度基準排出ガス50%低減レベル」を取得しました。
そして2005年11月、後継モデル「ベルタ」にバトンタッチして一代限りで生産終了となりました。